「最近動画広告をよく見るけど、種類はあるの?」
「動画広告を配信したいけど押さえておくべき注意点は?」
このように、動画広告に興味を持っていても、種類や、始める際のポイントについて知らない方も多いと思います。
実はネットが普及した現代社会では、動画広告は売上を左右するほど、宣伝効果を高めるため非常に効果的な施策と言えます。
今回は、動画広告とはそもそも何か、また動画広告の種類や使用時の注意点などを紹介します。
この記事を読んで動画広告について理解を深め、Webマーケティング業務の一環として導入できるようになりましょう。
1.動画広告とは
動画広告とは、従来のように静止画やバナー、テキストなどではなく、動画を用いて商品などの宣伝を行う広告のことを言い、伝えられる情報量の多さが特徴的です。
動画広告を活用することであらゆる層への認知度を高めたり、購買を促して売上アップに繋げていきましょう。
(1)動画広告の特徴
動画広告の一番の特徴は、テレビCMとの構成の違いです。
テレビCMは視聴者が自由にスキップ出来ず、最後まで視聴される前提で構成されていることが多いです。
そのため、宣伝したい核の部分がCM終盤に配置されることも少なくありません。
一方、ネット上の動画広告は視聴者が自らの意思で広告をスキップでき、自由に視聴を中断できます。
このような性質上、動画広告はテレビCMと同様に終盤に伝えたい内容を置く構成だと、十分に宣伝を行えない可能性がでてくるのです。
十分な宣伝を行うには、動画広告のできるだけ早い段階でユーザーの興味や関心を引き、ユーザーが自ら視聴を続けてくれるような工夫を行い、動画広告を見続けてもらう必要があります。
また、動画広告製作費用はクオリティや製作会社によって前後しますが、30万円〜80万円が主な相場と言われています。
(2)動画広告の最近のトレンドとは?
動画広告にもトレンドがあり、様々な媒体で、そして様々な形で配信が行われています。
これまでの動画広告市場では「インストリーム広告」と「インフィード広告」という二つの広告フォーマットが中心となりトレンドを形成してきました。(詳しくは以下の項で紹介しています。)
基本的には今後もこの二つが中心となってトレンドを形成していくと予測されています。
また、InstagramやTikTokといったSNSではスマホの画面全体に表示される「縦型」の動画広告も登場しており、こちらも今後の動画広告のトレンドの中心になり得る存在です。
動画広告市場は年々拡大しており、2012年の動画広告市場の規模が50億円だったのに対し、2019年の規模は2592億円、そして予測ではありますが2023年には5065億円に達すると言われています。(サイバーエージェント調べ)
5Gが普及すると通信の高速化は更に進み、Wi-Fi環境下でなくともスムーズに通信を行えることから、動画広告の普及も更に進むことになるでしょう。
2.動画広告の種類4つ
動画広告の種類を4つ紹介します。
それぞれの広告の特徴を抑え、インターネットのどこでどの広告が効果的に作用しているのか把握しましょう。
以下の4つが動画広告の種類です。
- インストリーム広告
- インバナー広告
- インリード広告
- インフィード広告
順に紹介します。
(1)インストリーム広告
1つ目の動画広告はインストリーム広告です。
インストリーム広告は、YouTubeやニコニコ動画といった動画コンテンツサイト内の動画再生画面で表示される広告です。
動画広告の中でも一番規模が大きく、2019年には市場規模が1000億円を超えました。
動画の再生前、途中、再生後のタイミングで配信され、ユーザーがスキップできるものとできないものが存在します。
動画広告の中でも主要の形で、動画が一定時間視聴される、またはクリックしてランディングページへ遷移することなどが課金発生のタイミングとして挙げられるのが特徴です。
以下の記事ではYouTubeの動画広告について紹介しているのでぜひご覧ください。
#1:インストリーム広告のメリット
インストリーム広告のメリットは、規模を活かした高い宣伝効果です。
動画コンテンツ、特にYouTubeはネット人口の8割が利用していることもあり、インストリーム広告は非常に多くの人々に視聴されることから、幅広い層への訴求効果に期待できるのが大きなメリットです。
また広告主からすればユーザーが動画を一定時間見続けなければ課金が発生しない特徴のおかげで、広告費用を抑えながらターゲット層に高い宣伝効果を見込めるのがメリットと言えるでしょう。
#2:インストリーム広告のデメリット
インストリーム広告のデメリットは、ユーザーの興味や関心を引くのが難しいという点です。
YouTubeなどを利用しているユーザーからすれば、見たい動画の前に動画広告が表示されるのは大きなストレスになります。
スキップが可能なスキッパブル広告や、6秒程度で終了するバンパー広告などであればストレスを抑えることができますが、スキップできないノンスキッパブル広告が何度も表示されると、その企業のイメージダウンにも繋がりかねません。
また、スキップできる広告でも冒頭で関心を得られないと視聴を継続してもらえず、訴求まで至らないことも多々あります。
そのため、動画広告の制作に精通していないと、宣伝効果の高い動画を作ることは難しいでしょう。
(2)インバナー広告
2つ目の動画広告はインバナー広告です。
インバナー広告とは、Webサイトやメディアの広告枠に表示される広告です。
Yahoo!JAPANのトップページの右上に毎回表示される大きな広告もインバナー広告で、動画広告以外にも今でも静止画が表示されることが多々あります。
表示するサイトのターゲット層と動画広告で訴求したい層が重なると特に高い宣伝効果を生み、多くの反応を得ることが可能です。
また、インバナー広告は1000回表示される度に課金が発生する仕組みとなっています。
#1:インバナー広告のメリット
インバナー広告のメリットは、動画サイト以外の媒体にも幅広く広告を配信できることです。
動画広告が普及してからはインバナー広告枠にも動画広告が表示されるようになり、動画サイトに訪れないような層にも、動画で製品などを訴求できるようになりました。
インバナー広告は、一度自社のサイトに訪れたユーザーなどに他のサイトでもインバナー広告を表示して訴求できる「リターゲティング」が可能で、より興味を持ったユーザーを集客できるのがメリットと言えるでしょう。
#2:インバナー広告のデメリット
インバナー広告のデメリットは、必ずしも最初から最後まで視聴してもらえるとは限らないことです。
インバナー動画広告は、サイトをスクロールしている間にも再生され続けるため、せっかくサイト内に表示はされていても、伝えたい核の部分をユーザーに伝えきれない可能性があります。
また、従来の静止画が採用されていたインバナー広告よりも、掲載にかかる費用も高いため、予算によっては動画広告として掲載するのが難しいという企業も存在するでしょう。
他にもコンテンツを見ている最中に動画が表示されて勝手に再生が始まることもあり、ユーザーのストレスを誘因する原因にもなり得るのが弱みとも言えます。
(3)インリード広告
3つ目の動画広告は、インリード広告です。
この動画広告は、サイトのコンテンツの間に配置されており、ユーザーがスクロールすると画面に広告が表示され、再生が開始するという特徴を持っています。
インリード広告もインバナー広告と同様、1000回表示される度に課金が発生する仕組みとなっています。
#1:インリード広告のメリット
インリード広告のメリットは、上記の特徴を活かすことで動画の冒頭から広告を視聴してもらえることです。
そのためストーリー性のある広告を配信しやすく、製品の特徴などをより詳細に伝えることができます。
また、通常のバナー広告と比べても画面の占有率が高いため、多くの人に視認してもらいやすいのもメリットの一つと言えるでしょう。
#2:インリード広告のデメリット
インリード広告のデメリットは、画面が表示されないと再生が開始されないことです。
コンテンツ間にインリード広告が配置されていたとしても、仮にユーザーが画面表示されるまでスクロールしなかった場合、動画は再生されず宣伝効果を生むことができません。
インバナー動画広告のようにユーザーの気分を害すことはなくても、工夫しなければ動画広告として機能しない可能性があります。
(4)インフィード広告
4つ目の動画広告は、インフィード広告です。
インストリーム広告に次ぐ主要な動画広告の一つで、SNSのコンテンツ内に表示される形式の広告となっています。
Twitterであればツイート、Instagramであればストーリーや投稿と同じようなフォーマットで広告が表示されるのが特徴です。
また、掲載媒体によって課金発生タイミングは違いますが、基本的には動画が〇秒再生されると課金、という条件となっています。
#1:インフィード広告のメリット
インフィード広告のメリットは、各SNSのフォーマットと同じように広告が表示されることで、ユーザーに自然に訴求できることです。
各ユーザーの投稿などと並んでタイムラインに表示されるため、いわゆるクリック率も高く、ランディングページに飛んでもらいやすいというメリットがあります。
コンテンツに興味を持ってもらいやすいことから市場規模はインストリーム広告と同じくらい大きく拡大しており、今後更にインフィード広告を活かした宣伝に期待できるようになるでしょう。
#2:インフィード広告のデメリット
インフィード広告のデメリットは、SNSのフォーマットの似た形で広告が表示されることから、広告とはわからずクリックしたユーザーが騙されたと感じてしまいやすいことです。
コンテンツの一部のように見せる広告を「ネイティブ広告」と呼びますが、このネイティブ広告にストレスを感じたことのある人は少なからず存在します。
あまりにも自然な形にしすぎると、かえってユーザーの反感を買ってしまうこともあるのがインフィード広告のデメリットと言えるでしょう。
3.動画広告を始める際のポイント2つ
動画広告を始める際のポイントを2つ紹介します。
これらのポイントを抑えて、的確に動画広告を配信できるようにしましょう。
以下の2つが始める際のポイントです。
- 動画広告の目的や成果を判断する指標を知ること
- ネット用の動画広告であることを意識して作成すること
順に紹介します。
(1)動画広告の目的や成果を判断する指標を知ること
動画広告を始める際の1つ目のポイントは、動画広告の目的や成果を判断する指標を知ることです。
動画広告を始める際は、どういった目的で動画広告を出稿するのか、そして掲載された動画広告が目的通り作用しているか判断する指標を知る必要があります。
動画広告を出稿する主な目的は、「サービスやブランドの認知」「想起率の向上」「購買の促進」などに分けられます。
そして動画広告を評価するための主な指標は以下です。
- インプレッション:広告の表示回数
- 視聴回数:動画が再生された回数
- クリック率:ユーザーが広告をクリックした回数
これらは数あるほんの一部ですが、動画広告の成果を的確に知るためにはこれらの指標から目的を達成できているか導き出す必要があります。
無闇に動画広告を出稿すると、かえってブランドやサービスなどへの不信感などにも繋がりかねないので、常に正しく成果を判断して目的から逸脱しない広告出稿を行いましょう。
(2)ネット用の動画広告であることを意識して作成すること
動画広告を始める際の2つ目のポイントは、ネット用の動画広告であることを意識して作成することです。
動画広告の制作は、常にネットユーザーの視点に立って行わなければなりません。
以上でも述べましたが、動画広告の多くはユーザーが数秒で動画の視聴をやめてしまいます。
そのため、動画を見続けてもらい、確実に宣伝に繋がるような動画制作を行う必要があるのです。
動画広告の多くは冒頭にインパクトを持たせることで、ユーザーの興味や関心を引き、視聴を継続してもらえるよう工夫しています。
他にも、インストリーム広告以外の動画広告は無音で再生が始まるのがデフォルトとなっているため、音がない状態でも宣伝効果に期待できる動画内容にすることも大切です。
動画広告市場はパソコンよりもスマホ動画広告の占有率の方が圧倒的に多いため、スマホで動画視聴する層への配慮が大切なポイントとなります。
まとめ
今回は動画広告について紹介しました。
同じ動画広告でも複数の種類やメリットデメリットがあり、それぞれの動画広告がネットのあらゆる場所で宣伝を行っています。
今後も大きな成長が続くとされている動画広告を活かすことができれば、サービスの認知度などを大幅に向上させることも不可能ではありません。
インターネットを利用して業績をアップさせるためにも、的確な動画広告の活用方法や作成方法を知り、理解を深めていくことが大切です。