これは2019年にはじめたYahoo!ブランドパネルの攻略法について紹介をします。
Yahoo!ブランドパネルはもともと純広告でYahoo!から提供されていましたが、今年の2月からYDNで出稿することができるようになりました。
Yahoo!ブランドパネルが出稿できるようになってから、この2ヶ月間ずっと出し続けてきたところ、かなり大きな成果を上げることができています。
今回は私が2ヶ月間やってきたYahoo!ブランドパネルの出稿方法について解説をします。
はじめに
今回はYahoo!ブランドパネルに特化した広告の運用方法になりますが、クリエティブ作成や運用指標、副次的な効果は他の広告運用でも応用できる内容となりますので、ぜひ、ご活用いただければ幸いです。
まずYahoo!ブランドパネルをYDNで出稿したことで上げた成果に関しては以下の通りになります。
・獲得件数が1月:57件→2月:384件→3月:502件
・獲得単価が1月:3,512円→2月:2,705円→3月:2,904円
・指名検索の伸びが1.8倍
・クリエイティブ2ヶ月間一切変更なし
・Yahoo!ブランドパネルの最低入札単価150円以下で出稿ができた
など、設定をしてから細かな運用はほとんどせずにYDNの件数を10倍以上に伸ばすことができました。
今回、YDNの獲得数が増加した理由はYDNのYahoo!ブランドパネルをいち早く取り組んだという先行者利益の部分もありますが、広告媒体の特性を理解して運用できたことが成功の秘訣だと考えています。
前置きが長くなりましたが、Yahoo!ブランドパネルをもちいたYDN獲得施策は再現性は高いものですので、皆様のクライアントでも実施いただければ幸いです。
今回、noteの目次は以下のようになります。
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目次
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1.Yahoo!ブランドパネルとは?
2.Yahoo!ブランドパネルの運用が成功した設定
2-1クリエイティブ編
2-1-1 YDNの動画広告は10秒を起点に構成を変える
2-2ターゲティング・運用編
2-2-1 YDN運用成功の秘訣はリスクを抑える意識
2-2-2 自分の思い込みにハマりすぎない意識
3.指名検索が増えた理由
3-1 「ネット=Yahoo!」の人たちの行動起点を抑える
4.Yahoo!ブランドパネルを出すための方法は?
4-1 Yahoo!正規広告代理店になる
4-2 広告代理店に依頼をする
5.まとめ
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1.Yahoo!ブランドパネルとは?
Yahoo!ブランドパネルとはYahoo!Japanトップの右側に掲載されているバナー広告枠になります。現在、YDN経由でYahoo!ブランドパネルに出せるのは、PCとタブレットのみとなります。スマホに関しては、純広告枠としてしか配信することができません。
下記画像の青枠部分になっているところが、Yahoo!ブランドパネルの掲載枠になります。
Yahoo!ブランドパネルは静止画での広告配信は最低入札単価は150円からになります。
高いと感じるかもしれませんが、もともとYahoo!ブランドパネルを純広告で全国で出す場合は数百万円単位でかかっていましたので、それを考えると最低入札単価を150円で出せるのは非常にやすいということになります。
今回、私がYahoo!ブランドパネルに成功したのはPCでの配信がうまく行ったケースになります。
Yahoo!JapanはPCで月間272億PV数を誇る日本最大のポータルサイトであり、日本人のほとんどが知っているサイトになりますので、ここに広告を掲載することができれば、自然と認知度も上がるというものです。
その日本一のポータルサイトのトップページに掲載できるというのはすごいことだというのは実感していただけたのではないでしょうか?
2019年4月19日追記
2.Yahoo!ブランドパネルの運用が成功した設定
さて、Yahoo!ブランドパネルの詳細がわかったところで、具体的に私がどのようにYahoo!ブランドパネルをYDNで運用してきたのかを紹介します。
まず、Yahoo!ブランドパネルを出稿するために必要な最低入札単価は150円です。ただ、私は150円以下で広告を出すことができています。
これはなぜなのか?
理由はYahoo!ブランドパネルの広告フォーマットにあります。Yahoo!ブランドパネルでは静止画と動画の2種類で広告を配信することができます。
静止画は150円の最低入札単価が設定されています。しかし動画広告は視聴単価となるため、最低入札単価は設定されていませんでした。
そこで、私は動画広告を「ユーザーの視覚に訴えて商品の詳細を知りたくなる動画を作成する」ことで、クリック率を高めて、最低入札単価150円以下のクリック単価を実現できるのではと考えました。
そのため、はじめに取り組んだのはクリックされやすい動画広告を作成することでした。
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2-1 クリエイティブ編
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動画広告はビジュアルがよくユーザーに伝えやすい広告ですが、手が込みすぎると販売色が強くなります。
販売色が強くなれば、ユーザーがうざく感じてクリック率は低下する可能性が高いです。
また、動画広告は静止画と違い、制作に時間がかかります。何度も修正を繰り返すのは工数的に厳しいため、できる限り長く持つクリエイティブを考える必要がありました。
動画広告を1本作成する場合、企画から撮影、編集までやると最低10万から20万円ぐらいかかります。
そこでユーザーが興味をもつ動画として参考にしたのがYoutuberの動画です。下記はYoutuberのヒカキンさんの動画一覧になりますが、サムネイルを見るだけでどんな動画かわかり、興味関心をそそられますよね。
Youtuberの動画はユーザーが見ておもしろく感じる動画を意識して作りこまれています。私もYou Tubeをよく見ていますが、Youtuberが作る動画は
・サムネイル画像の作り
・イントロの部分
・動画終了時のアクションを促すつくり
など、非常に参考になる部分がおおいです。最近は次回の動画がどのようなものなのかを予告動画を作り、翌日の動画につなげるなどされています。
話がそれますが、Yotuberの方たちは、毎日、動画を上げることが当たり前になっているところがあります。そのため、企画を重いものにすることができず、軽い内容で数をこなさないといけない面もあるようです。
そこは私達、広告業務に携わる人間も数をこなさないといけない面もあり、クリエティブが似てきたりする問題はあります。ただ、似たようなクリエティブばかりになれば、ユーザーの反応も悪くなります。
すぐにクリエティブ面の体制を変えることはできなくても、徐々に動画など新しい広告フォーマットに対応をすると頭ひとつ抜けることも可能です。
2-1-1 YDNの動画広告は10秒を起点に構成を変える
Yahoo!の動画広告は開始から10秒以内は無料のため課金されないという特徴もあります。10秒以内で商品ページに飛ばせばいいという考えは本質的ではありませんが、10秒以内に商品をしっかりと訴求して興味関心をもってもらうことは重要なポイントです。
動画広告が10秒以上再生された後に、同一セッション内で同じ動画が再生された場合、2回目の再生に対して課金は発生しません。ただし、セッションの切断後に同じ動画広告が再度リクエストされた場合は、課金対象となります。入札価格は動画1,000回の再生に対する金額を設定しますが、広告料金は動画1回の再生に対して課金されます。引用:Yahoo!プロモーション広告 動画広告について
そこで、YDNの動画広告は開始後10秒前後で構成の考え方を分けるといいでしょう。
開始後10秒は訴求したい内容や商品のポイントなどを紹介して興味付けにつかって、興味関心が高い人にはすぐサイトへ誘導するように促す作りにします。
11秒以降は商品の導入部分を見て興味関心が高まっているので、サイトに誘導することを考えるのではなく、商品のことについて動画を通じてしっかり理解してもらうように訴求をする作りがいいでしょう。
最後に商品の購入や詳細はサイトに飛ぶよう伝えて締めるとユーザーにとってわかりやすい動画になります。
実際の広告動画は顧客との守秘義務があるためお見せすることができないのですが、イメージとしては上記のようなことを考えて作成をしました。
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2-2 ターゲティング・運用編
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次にターゲティング設定に関しては、YDN経由で出せるため以下のターゲティングを使用することが可能です。
・性別(拡張あり)
・年齢(拡張あり)
・サイトリターゲティング
・サーチターゲティング
・インタレストカテゴリ
・地域
・曜日・時間帯
・デバイス(PC・タブレットのみ)
今回の配信では初期はターゲティングを決めずに一斉配信することにしました。
理由としては、2つあります。
1.ユーザーがどの層に反応があるかリサーチをかけるため
2.配信した結果から反応のよいところに絞り込んでいくため
顧客にはYahoo!Japanのトップ面への配信は幅広いユーザーにリーチをかけることができることを伝えました。いままで接触がなかったユーザーと接点をもつことができる可能性に魅力を感じてもらえました。
魅力を感じた背景には、Yahoo!Japanというブランドと、誰でもみればすぐにわかるブランドパネルという広告配信場所への安心感があったようです。
2-2-1 YDN運用成功の秘訣はリスクを抑える意識
広告の運用方法に関しては、動画広告の最低入札価格である1,000円にて設定をしました。
はじめから高い金額をつけるのではなく、はじめは最低入札価格からはじめて徐々にあげていくことで、できる限り配信失敗のリスクを抑えるようにしました。
また、広告予算は日予算を5000円に設定してスタートしました。
私の運用の考え方として、できる限り少ない金額でスタートをすることを意識してきました。
手間が多少かかったとしても、失敗のリスクを最小化することが運用では重要視しています。
少額で配信を行い、あたりをつけてからターゲティングの絞り込みをこんだり、拡大をしていくことで、できる限り失敗の傷を深く追わないようにしています。
2-2-2 自分の思い込みにハマりすぎない意識
また、ターゲティングをしすぎない理由として、自分の思い込みが入らないようにしたいからです。
しっかりターゲティングをしたのに、うまくあたらずに落ち込んだり、何度も管理画面を見ながらしつこくターゲティング設定を変えることは無意味だなと感じたからです。
運用型広告は経験とセンスもありますが、短期間で成果がわかるという特徴もありますので、あまり考えすぎずにデータを見ながら判断をしていくことで、短期間で改善のサイクルを早くしています。
3.指名検索が増えた理由
そしてもうひとつ、今回のYahoo!ブランドパネルの効果としてよかったのが、指名検索の件数が2倍に伸びたという点です。
下記が実際の配信後に変わった検索数のグラフになります。左軸がブランドパネルの広告配信量、右軸がYahoo!指名検索になります。
なぜこのようなことになったのか?というと、Yahoo!Japanトップで商品に興味を持ったユーザーはそのまま検索ボックスに商品名を入れて検索をしたことが考えられます。
このようなことが起きた理由はYahoo!Japanの広告媒体特性が働いていることが考えられます。
Yahoo!Japanは日本で最大のポータルサイトであるため、ユーザーの中には「ネット=Yahoo!」という人たちもいます。
ブラウザを立ち上げたときの初期設定がYahoo!japanになっている人たちもまだいるぐらいです。
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3-1 「ネット=Yahoo!」の人たちの行動起点を抑える
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Yahoo!Japanのトップページはポータルサイトのため、「ネットで何かをはじめようというユーザーの行動起点」になります。
これからネットで何かをはじめよう、情報をあつめようと思っているひとに一番目立つ場所にあるブランドパネルの広告枠に、インパクトのある動画広告を流せば、ユーザーは興味をもつことは間違いありません。
通常のYDNですと記事を読んでいるため広告がでていても、視界には入っていても、意識としてはうつっていません。簡単に言うと広告として表示されているけど、見られていないという状態です。
その点、行動を開始する起点であるYahoo!Japanのトップであれば、まだ何もはじめておらず、これから何かをしようと選択を考えている段階なので、そこに興味を示す広告を出すことができれば、おのずとユーザーの初期行動をコントロールすることができます。
それが今回の指名検索の増加という結果になっています。指名検索が増加することのメリットとしては、CPCやCTR、CVRという変数はあまり変わらないので、広告表示回数という実数が増えれば、獲得件数が増えることになります。
YDNとしてのブラパネ効果以外にも指名検索経由での獲得があることで、トータルの獲得件数はさらに増えていきます。
4.Yahoo!ブランドパネルを出すための方法は?
ここまでみると今すぐYahoo!ブランドパネルをやってみたい!と、思われた方もおられるでしょう。
ただ、Yahoo!ブランドパネルはYahoo!正規広告代理店のアカウント以外では、現在、取り扱うことができません。ここでYahoo!ブランドパネルをYDNで取扱うための方法をご紹介します。
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4-1 Yahoo!正規広告代理店になる
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正攻法でいくのであれば、自分でYahoo!正規広告代理店になるという方法があります。
ただ、Yahoo!正規広告代理店になるためには、広告代理店としての事業計画書を作成する必要があります。また、正規広告代理店で広告配信をするのが自社だけとなると審査には通りにくいです。
理由としては、正規広告代理店はYahoo!の利用広告主を増やすことが目的です。自社運用のためだけに正規広告代理店になることは、Yahoo!が考えている正規代理店募集制度とは合致しないためです。
Yahoo!正規代理店になるためには下記から申し込みを行うことができます。
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4-2 広告代理店に依頼をする
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一番確実な方法は現在、Yahoo!正規広告代理店になっている広告代理店に依頼をして広告アカウントを借りるか、広告運用代行を依頼するということです。
ただ、広告代理店を間に挟むことで審査に時間がかかったり、広告アカウントを借りるための手数料などがかかる場合があります。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はYahoo!ブランドパネルをYDN経由にて広告を出したことの効果をまとめましたが、今回のYDN運用方法の考え方はすべての運用に使えます。
まとめると、以下のようになります。
1.動画広告はYoutuberの作り方を真似る
2.動画広告を使用して訴求力を高める
3.広告を出す際は最低入札価格に設定、日予算を低く設定して失敗の傷を浅くする環境を作る
4.ターゲティングは広く出して、あとで絞る
5.データを見て、自分の思い込みでターゲティング像を作り上げない