「リスティング広告はどのような仕組みで課金されるの?」
「リスティング広告予算ってどう決めればいいの?」
「予算節約するためには何を抑えておけばいいの?」
実はリスティング広告は少額からでも始められ、うまく活用できれば高い費用対効果の期待できる広告手法です。
しかし、課金されるプロセス、そして予算の立て方の基本を知らなければ、貴重な予算をドブに捨て続けることになりかねません。
「デジマチェーン」が、リスティング広告の費用に関する基本情報と、予算を決める3つの方法、そして出稿前に決めておくべき撤退ラインについて解説します。
リスティング広告運用に強い広告代理店の一覧も付いた「【決定版】リスティング広告始め方!」は以下です。
1.リスティング広告の課金方式は?
リスティング広告の課金方式は、クリック課金制です。
クリック課金制はユーザーにクリックされて初めて費用が発生する方式であり、広告が表示されるだけでは費用は発生しません。
そのため、費用対効果を分析しやすく無駄が少ないというメリットがあります。
その一方で、多くのユーザーに検索されやすいキーワードを設定してしまうと広告費が予想以上にかかってしまうケースが考えられるため、配信後数日はこまめに状況をチェックして想定外の出費がかかりそうな場合は運用を制限しなくてはなりません。
このように、リスティング広告はクリック課金制であり、クリックされて初めて費用が発生するため費用対効果が分かりやすいという特徴があります。
2.リスティング広告の入札ってなに?
リスティング広告の料金設定は、入札方式で行われます。
あらかじめ最低入札価格が決められており、その価格以上の金額で入札しなくてはなりません。
最低入札価格は、キーワードや広告の品質・入札者の数などによって変動します。
検索数の多いキーワードほど高くなる傾向にあります。
実際に広告が掲載される順位は、入札価格に品質スコア(クリック率などを加味した良い広告であるかの指標)を掛けた数値で決定されます。
このように、リスティング広告の料金設定は入札方式で行われており、掲載順位は入札価格と品質スコアを掛けた数値で決まります。
3.リスティング広告の出稿費用相場は?
中小企業の場合10〜100万円/月が、効果が出る広告費用の目安といわれています。
ただし、業界や商材によっても異なり、月10万円から始められるものや月50万円より高額になる場合もあります。
広告代理店では月30万円前後を運用代行の最低申込額と設定しているケースも多く見られます。
マス広告やインターネット広告の一部では月100万円以上かかるものもあるため、リスティング広告は比較的低価格で気軽に始めやすい広告と言えるでしょう。
また、リスティング広告は、リアルタイムに成果を確認でき、随時調整しながら効果を高めていくことが可能です。
予算ありきで広告プランを決めてしまうのではなく、柔軟性を持たせながら費用を決めていくのがおすすめです。
4.リスティング広告の予算の見立て方
リスティング広告費用予算の決め方には以下の3つがあります。
- クリック単価の相場から決める
- 獲得したい成果の目標から決める
- 現在の売り上げから決める
それぞれの方法について説明します。
クリック単価の相場から予算を決める
キーワードの平均クリック単価から予算を決める方法です。
クリック単価は、それぞれの掲載媒体に応じたツールを利用してチェックすることができます。
Googleでのクリック単価の確認方法”]は「キーワードプランナー」を、Yahoo! JAPANなら「キーワードアドバイスツール」を利用します。
これらのツールに想定したキーワードを入力することで、クリック単価を確認できます。
平均クリック単価は、検索数の多いキーワードや売上に直結しそうなキーワードほど高くなる傾向があります。
時期やブームも平均クリック単価に影響を与えます。
例えば、単価3万円の商品があって、狙っているキーワードの平均クリック単価が200円だったとします。
予定販売数は50個として原価が15,000円/個であれば、「売上-原価」は予定ベースで75万円です。
- 原価合計=15,000円×50個=750,000円
- 売上-原価=150万-75万=75万(予定ベース)
そして、狙っているキーワードのコンバージョンを2.5%と推定すると、50個の商品を売るためには2,000クリックが必要です。
- クリック必要回数=50個÷2.5%=2,000クリック
もし、コンバージョン率の推定が困難な場合は1%を使う場合が多いです。今回の例ではコンバージョンにつながりやすいキーワードを選定している前提で2.5%とします。
クリック単価が200円ですので、2,000クリックに必要な広告費用は40万円となります。
- 広告費=2,000クリック✕200円=400,000円
40万の広告費は、売上-原価の75万に比較すれば妥当だと判断できます。
獲得したい成果の目標から予算を決める
これは、実際にリスティング広告で売上げたい金額をベースに予算を決める方法です。
例えば、単価3万円の商品で150万円を売り上げたいとします。
そのためには、50個を販売しなければなりません。
- 売上目標数=150万÷3万=50個
原価が15,000円/個であれば、「売上-原価」は目標ベースで75万円になります。
- 原価合計=15,000円×50個=750,000円
- 売上-原価=150万-75万=75万(目標ベース)
仮にそのコンバージョン率(アクセスしてきたユーザーが購入に至る確率)を1%として、50個売るのであれば、5,000クリックが必要となります。
- 必要クリック数=50個÷1%=5,000クリック
この時、クリック単価を100円と予算上設定すると、5,000クリックに100円をかけた数字50万円が、広告費の予算になるというわけです。
- 広告費予算=5,000クリック✕100円=500,000円<750,000円
「売上-原価」が75万円なので、広告費の50万は妥当と判断できます。
現在の売り上げから決める
現在の売上をもとに広告費を決める方法もあります。
一般的な広告費の割合は、売上に対して5%から10%が相場と言われています。
もちろん、業種や条件で広告費にあててる予算は違ってくるでしょう。
ちなみに、通信・サービス業の場合は15%~20%、流通業の場合は1%~3%と言われているようです。
今回は、10%で計算してみましょう。
例えば、現在200万円売りあげている商品であれば、20万円が広告費の目安となります。
- 広告費の目安=200万✕10%=20万
この場合のクリック単価の目安も計算してみましょう。
単価1万円の商品であれば、クリック単価の目安は1,000円になります。
- 売上目標数=200万÷1万円=200個
- クリック単価の目安=20万円÷200個=1000円
1,000円のクリック単価を目安に効果の高そうなキーワードを探しましょう。
5.出稿前に決めておく広告費用2ポイント
費用に関して、出稿前に気をつけたいポイントを以下の2点に分けて紹介します。
- 撤退ラインを決めておく
- うまくいった際の予算の追加範囲を決めておく
順番に説明します。
広告出稿の撤退ラインを決めておく
費用に関して気を付けたいポイントの1つ目として、撤退ラインを決めておくことが挙げられます。
リスティング広告は配信後にリアルタイムに結果を確認し調整することができるため、あらかじめ予算を決めてしまわず柔軟に対応すべきと述べました。
しかし、運用がうまく周っていないにも関わらず広告配信をズルズル続けてしまっては、成果が上がらないまま費用だけを無駄に垂れ流してしまいます。
そのため、これ以上の予算もしくはCPA(Cost Per Action:コンバージョン1件あたりにかかる費用)はかけられないという撤退ラインをあらかじめ設定しておくことは重要です。
このように、運用状況を見ながら柔軟に予算をコントロールできる余裕を持ちつつ、これ以上は辞めるという撤退ラインをあらかじめ決めておきましょう。
うまくいった際の広告予算の追加範囲を決めておく
費用に関して気を付けたいポイントの2つ目として、うまくいった際の予算の追加範囲を決めておくことが挙げられます。
ポイント1と反対に予想よりも運用がうまくいった場合には、当初の想定予算に達したからといってすぐに広告を止めてしまうのは勿体なく、せっかくの売上アップの機会を損失してしまうことになり兼ねません。
このまま広告を続ければ多くのコンバージョンが見込めるのに、追加予算を投入するためには社内稟議を一から通さなければならないとなれば、実際の運用と意思決定にタイムラグが発生してしまいます。
このように、一旦運用が始まってしまうとリアルタイムでの判断が必要となるため、うまくいった場合にはどの程度の追加予算をかけてもよいかをあらかじめ想定しておくことが大切です。
まとめ
リスティング広告は少額からでも始めることができ、うまく活用することで高い費用対効果が望めます。
ぜひこの記事を読んでリスティング広告を導入・活用し、自社製品・サービスの売上アップにつなげてください!