「不動産業の開業は何から手をつければいいのかわからない」
「新規顧客を増やすにはどうすればいいの?」
「広告を出しても、いまいち集客効果を実感できない 」
個人でも起業可能である不動産業は、東京オリンピック需要や低金利政策、高齢化社会の影響による施設の建設などの要因から、今後もさらなる成長を遂げると予想されています。
しかし不動産業の開業を考えてはみたものの、多くの方が上記のような悩みにぶつかるものです。
実は、開業前のステップで集客を見据えた準備を行うと、上記のような不安を抱えて行き詰まる確率を下げられます。
不動産業界に合った集客方法の種類と、その「組み合わせ」を理解すれば、営業活動しなくてもお客がお客を連れてきてくれる、集客失敗知らずの人気不動産店舗を作り上げましょう 。
この記事では、不動産業界で開業するにあたり必要なステップ・必要な開業資金や、集客方法の組み合わせ、効果的な宣伝方法などをご紹介します。
1.不動産業の起業で必要なことは?
不動産業の起業で必要な法的手続きは以下の3パターンの業態によって分類されます。
- 不動産業
- 宅地建物取引業
- 建売分譲住宅開発業(デベロッパー)
それぞれの業態に対応した開業許可手続きは以下です。
不動産業
アパート経営や貸しビル経営など、自ら不動産を賃貸する場合や、不動産の管理のみを行う場合が該当します
この場合は免許不要です 。
宅地建物取引業
宅地建物取引業とは、宅地建物の売買や交換、賃借を行う場合や代理・媒介を行う業務です。
開業するためには宅地建物取引業法の免許取得が必須条件となります。
免許を取得するには、事務所を所有した上で従業員5人に対して1人以上の宅地建物取引士の設置を行うことが必要です。
建売分譲住宅開発業(デベロッパー)
不動産デベロッパーとは、街や土地を開発する業務です。
開発業務内容によって、受けるべき認可が異なります。
業務内容ごとの認可項目は以下の表に示す通りです。
業務内容 | 必要な認可項目 |
---|---|
土地の購入 | 宅地建物取引業法 |
建物の設計 | 建築士法 |
建物の建設・施工 | 建設業法 |
分譲 | 宅地建物取引業法 |
2.不動産業は開業前セミナーが重要
不動産業の開業で重要なのは、不動産開業に関するセミナーに多く参加することです。
セミナーに参加するメリットは大きく4つあります。
- 不動産業界の動向と実務に関わる最新情報を得られる
- 全国の不動産業者から成功事例を聞ける
- 同業者とのつながりができ、運営戦略を交換できる
- 不動産業界に適した集客モデルを知ることができる
個人でも起業できるからこそ、事業を成功させるために現状を把握し、運営のノウハウといった知識を蓄える必要があります。
そのため、さまざまな情報を得られるセミナーへの出席が効果的なのです。
数多く開催されている中でも、特に人気がある不動産開業セミナーは以下の4団体になります。
- 全国宅地建物取引業協会連合会
- 公益社団法人 全日本不動産協会
- リングアンドリンク株式会社
- 住宅新報
全国宅地建物取引業協会連合会
日本トップ規模を誇る不動産業者団体である全国宅地建物取引業協会連合会主催のセミナーが「宅建協会開業支援セミナー」です。
地域ごとの特徴に適した開業ノウハウが学べます。
詳しくは、こちらの公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会公式サイト をご覧ください。
公益社団法人 全日本不動産協会
全国宅地建物取引業協会連合会と並ぶ不動産業者団体である全日本不動産協会の研修会で、不動産業界の現状や開業モデルについて詳しく学ぶことができます。
詳しくは、こちらの公益社団法人 全日本不動産協会(東京都版)公式サイトをご覧ください。
リングアンドリンク株式会社
リングアンドリンクの不動産開業支援セミナーは、3000社もの不動産会社運営データに基づいたセミナーを開催しています。
これまでに250社以上がセミナー受講後に開業を果たし、成功している実績があります。
詳しくは、こちらのリングアンドリンク株式会社公式サイトをご覧ください。
株式会社 住宅新報
株式会社 住宅新報の売買仲介営業 入門セミナー(元付編) について、詳しくはこちらの住宅新報公式サイトをご覧ください。
3.不動産業の開業資金モデル
以下の表は、店舗面積20坪の事務所を開設する場合の資金例です。
開業先の地域や物件によって初期投資額は大きく変わります。
項目 | 初期投資額 |
---|---|
内装工事費 | 約2,500万 |
空調設備 | 約60万 |
OA機器 | 約250万 |
机・椅子 | 約50万 |
広告宣伝費 | 約50万 |
アルバイト募集費 | 約20万 |
営業保証金分担金 | 約60万 |
協会入会金 | 約30万 |
開業前人件費 | 約80万 |
開業前家賃 | 約20万 |
その他 | 約50万 |
合計 | 約3,170万 *地域や個別ケースによって大きく異なります |
不動産業は前述した業務形態によっても必要資金は大きく異なります。
宅地建物取引主任者資格の取得後、SOHO形態での開業であればコストを抑えて運営することが可能です。
低い初期コストで開業したい場合は検討してもいいでしょう。
開業資金調達に利用できる補助金・融資
不動産業の開業資金調達に利用できる補助金・融資を積極的に活用しましょう。
開業に必要なものを購入する資金の調達には、日本政策金融公庫の新創業融資を利用できる可能性があります。
新創業融資は、政府系金融機関である日本政策金融公庫で、無担保・無保証・連帯保証人・スピード融資で融資を受けられる有利な融資制度です。
以下の記事で新創業融資について説明しています。
「新創業融資が初めてでもわかる3つの裏技と審査通過3ポイント解説」
加えて、新規事業として開業を検討中であれば、返済義務のない小規模事業者持続化補助金を活用できるかもしれません。
以下の記事で小規模事業者持続化補助金について説明しています。
「小規模事業者持続化補助金の採択率を上げる申請書の書き方5ポイント:不況に負けない!」
4.不動産業におすすめの集客方法6選
新規参入で競合他社との差別化をはかるためには、いかに集客効果を高めるかがポイントになります。
「集客は足し算ではなく掛け算」と言われますから、組み合わせ次第で何倍、何十倍にもなるのが集客力です。
不動産業には以下の集客方法の組み合わせがおすすめです。
それぞれの方法について説明します。
検索連動型広告(リスティング広告)でダイレクト集客
リスティング広告では上記サンプル画像のように、ユーザーの検索ワードに応じて表示された検索結果ページの最上位枠に、あなたの不動産広告を表示できます。
検索連動型広告(リスティング広告)を使えば、ビジネスエリア内で不動産に関心が高い見込み顧客に、低費用で広告を発信できます 。
最上位枠は広告のクリック率が高いので、あなたのホームページへの流入を増やすことが可能です。
ですから、リスティング広告はホームページと組み合わせて運用すると、より高い集客効果が得られます。
リスティング広告が、不動産業の集客方法に最適な理由は主に3つあります。
それぞれについて説明します。
#1.不動産業は地域名キーワードとの相性が良い
不動産業は地域密着型事業のため、地域名キーワードを利用できるリスティング広告との相性が良いです 。
例えば、あなたが都内世田谷区に賃貸の物件を持っていると仮定しましょう。
その場合、広告を表示したい相手は、世田谷区内の賃貸物件を探している人です。
まず、その見込み顧客が、どんなキーワードでネット検索をするかを予想して、リスティング広告に設定します。
リスティング広告は地域名が入った検索ワードを設定できるので、「世田谷 賃貸」といったキーワードがぴったりでしょう。
そうすれば、「世田谷 賃貸」というキーワードでネット検索した見込み顧客に対して、あなたの紹介したい賃貸物件の広告が表示させることが可能です。
#2.配信地域を絞ってダイレクトに見込み顧客にアプローチできる
リスティング広告の、もうひとつの便利な機能は「地域ターゲティング」です。
地域ターゲティング機能で、広告配信をするエリアを調整して、配信するエリアと配信しないエリアを指定できます。
例えば「東京都のみ」に広告配信する設定や、「東京都と神奈川県に広告配信をするが、東京都XX%多め」に配信するといった設定です。
「地域ターゲティング」とキーワードを組み合わせることで、例えば、「不動産店」というキーワードを使って東京都内で検索しているユーザーに対して、広告を配信することが可能になります。
「地域ターゲティング」機能を使用する場合は、配信除外エリアの設定も行うことも重要です。
そうすれば、意図しない広告表示を防いで、広告費用の無駄が生じるのを防ぐことができます。
例えば、「港区」には「東京都港区」と「愛知県名古屋市港区」が存在します。
名古屋市港区の不動産物件を販売したい場合は、「地域ターゲティング」機能で、除外エリアに東京都を設定する必要があるでしょう。
除外エリアを設定しないと、東京で不動産を探している人の検索結果にも表示されてしまいます。
不動産業は地域密着型事業ですから、リスティング広告で使用できる地域名キーワードや地域ターゲティングを上手に活用しましょう。
#3.広告予算をコントロールしやすい
リスティング広告は「クリック課金制」という広告利用料システムを採用しています。
検索結果画面に表示された広告がクリックされた回数によって、GoogleやYahoo!に広告料を支払うシステムです。
リスティング広告の設定画面で、広告がクリックされた時に支払う単価目安となるを広告ごとに設定します。
検索結果に広告が表示されるかどうかは、最高入札価格と広告の品質で評価される広告オークションという自動システムで決定されるシステムです。
リスティング広告は1日あたりの最大広告予算や、最高入札価格をコントロールできるので、広告主側の自由度が高い集客方法といえるでしょう。
業界特化型ポータルサイト顧客の認知アップ
不動産業の集客には、低料金で簡単に情報を掲載できる業界特化型ポータルサイトへの掲載も有効です 。
最近、多くのユーザーは不動産を探す際に、複数の不動産ポータルサイトを利用します。
広告を掲載する側から見ると、ポータルサイトはフォーマットが統一されており、効率よく多くの見込み顧客にアプローチできるのがメリットです。
反面、掲載できる情報が限られていて、競合他社の掲載量も多いデメリットがあります。
ですから、ポータルサイトでの集客は、リスティング広告と同様にホームページとの組み合わせで相乗効果を狙いましょう。
ポータルサイトからホームページへの導線を敷いて、より多くの情報提供をすることが重要です。
ここでは代表的なポータルサイトを6種類とその特徴をご紹介します。
- SUUMO
株式会社リクルート住まいカンパニーが運営するポータルサイトです。
TVCMや屋外広告での知名度が高く、物件探しをする顧客にとってなじみのあるサイトです。 - LIFULL HOME’S
株式会社LIFULLが運営しているサイトです。
物件掲載数NO.1を誇り、掲載する物件数に応じて課金されるプランとお問合せ数に応じて課金されるプランから選べます。 - アットホーム
アットホーム株式会社が運営しており、加盟・利用する不動産会社が最も多く、のべ55,000店舗にのぼります。
物件チラシを届けるサービスを利用することも可能です。 - Yahoo!不動産
検索エンジン大手のヤフー株式会社が運営しており、月間累計訪問者数は1,100万人を誇ります。
ヤフーのトップページにリンクがあるため、新規顧客の集客を見込めるのが魅力です。 - マイナビ賃貸
人材サイト最大手であるマイナビが運営しています。
マイナビ経由で特に学生の訪問者数が多いのでターゲットを限定しやすいです。 - スモッカ
株式会社じげんが運営しています。
入居者に5万円のお祝い金が支払われるため成約率が高い点が特徴です。
ホームページで専門性アピール
不動産業において、ホームページはリスティング広告やポータルサイトと併用したい集客方法です。
不動産の専門家ならではの深い情報提供ができ、新規顧客を誘導するための効果的な経路になります。
不動産は顧客にとって大きな買い物ですので、顔の見えないインターネット上だからこそ信頼関係の構築を狙うための情報提供が必要です。
不動産の専門家であることを強調したホームページを制作するには、以下の4点に気をつけましょう。
それぞれについて説明します。
#1.ホームページに載せる情報を絞る
不動産の専門家としてのホームページですから、掲載すべき情報と掲載すべきではない情報があります。
ホームページに載せるべき主な情報は以下です 。
- 物件情報
- 会社情報
- 事務所の外観・内観
- スタッフ紹介ページ
- ブログ・キャンペーン情報
以上は、ホームページを訪れた見込み顧客にとって重要な内容です。
個人的なことを書いた日記のような内容は、見込み顧客の離脱を招くためホームページに載せるのを控えましょう。
#2.ホームページを専門店化させる
競合他社が増える中で生き残る手段として「ホームページの専門店化」がおすすめです。
同じエリア内の他社が手をつけていない分野を狙ったホームページで集客を行えば、新規参入の個人でも競合大手に勝てるチャンスは大いにあります。
具体的には、「ペット可物件専門店」や「賃貸の戸建て専門店」といった専門店化したホームページからの集客で成功している不動産業者も多いです。
専門店化でネット検索での上位表示も狙えますし、見込み顧客のニーズに合った物件情報の提供ができます。
さらに、関心度の高い見込み顧客を集客できるので、集客から成約までの期間を短くして、効率よく利益を得られるでしょう。
#3.外部のホームページ制作業者に依頼する
見映えがよく、見込み顧客が物件を探しやすいホームページを用意する際に重要なことは、不動産業の実績があるサイト制作業者を選ぶことです。
実績と知識がある会社であれば、こちらから不動産業についての説明をする手間がありません。
「専門店化」の要望にも合致したサイト制作も行ってくれます。
業界特有の商圏やポータルサイト、競合についてのノウハウがあるので、集客効果が高いホームページの完成が期待できるでしょう。
また業界に特化しているため、ホームページに記載すべき事項についても提案してくれるでしょうし、宅地建物取引業法の違反対象になるような記載を事前に防げます。
#4.ホームページの制作に活用できる補助金
ホームページの制作には、返済義務のないIT導入補助金を活用できる可能性があります。
IT導入補助金の補助率は2分の1で、補助下限額は40万円、上限額は450万円です。
ただし、一方的に情報を発信するだけのホームページは補助金の対象とはなりません。
ユーザー側からも入力できるホームページの作成が、IT導入補助金の対象になります。
例えば、内見予約や、入居申し込み をホームページ上で行えるようなシステムであれば対象です。
IT導入補助金についての詳細は下記の記事を参考にしてください。
「IT導入補助金申請の採択率アップ!ホームページ制作も対象?!」
位置情報広告で顧客を絞り込む
ジオターゲティング広告とも言われる位置情報広告は、スマートフォンから取得したGPS・Bluetooth・Wi-Fi等の位置情報データをもとに受け手を絞って配信される広告です。
不動産業は商圏をかなりの程度絞れるので、位置情報でのターゲティングが威力を発揮するでしょう。
行動履歴をもとに特定のエリアに訪れたことがあるターゲットに、ピンポイントで広告を打つことができます。
例えば、以下のようなターゲティングが可能です。
- 特定の期間に住宅展示場やモデルハウスを訪れたことのある人
- 最寄り駅を頻繁に利用する人
- 自社の商圏内に居住する人
ジオターゲティング広告は新店舗の認知促進や、潜在層の掘り起こしに効果的な広告手法です。
ジオターゲティング広告(位置情報広告)の仕組み、メリット・デメリット、主なプラットフォームについての記事で説明しています。
ブログは不動産業の鉄板集客法
ホームページと組み合わせて高い集客効果を狙えるのがブログで、特に仲介・販売において、タイムリーかつ量が多い情報を継続して発信するのに向いています。
ブログ上で写真掲載をすることで、取扱い物件のビジュアルイメージが分かるため、見込み顧客からの安心感獲得につながります。
ブログはネット検索にも強いことから、ホームページのように活用する業者も多く、集客方法として人気があります。
WordPressの活用で低コストでブログをホームページ化できる
不動産業のブログをホームページ化する際は、無料のウェブツールであるWordPressを使うとよいでしょう。
WordPressでホームページを開設するには、不動産業にマッチした「テーマ」と「プラグイン」の導入が不可欠です。
テーマとは、ブログ全体の見た目や操作方法を設定するためのひな型です。
HTMLやCSSの知識がなくても、テーマをインストールするだけで見映えのいいブログが出来上がります。
不動産業のブログに特化したテーマに「モノリス」があります。
白を基調としたデザインで誠実感があり、画像を挿入できるため物件のイメージを掲載させるのに有効です。
次に導入するのは「プラグイン」です。
不動産のブログサイトの定番である、不動産プラグインを利用しましょう。
無料のプラグイン本体をWordPressにインストールするだけで、物件の検索機能やストリートビュー閲覧などの便利なシステムをすぐに利用開始できます。
さらに、予算と必要に応じて、「不動産マッププラグイン」、「不動産校区プラグイン」、「不動産町名検索プラグイン」、「不動産マッチングメールプラグイン」などの、さらに高機能の追加プラグインを購入することが可能です。
ブログの始め方、使い方についての記事をご覧ください。
看板やのぼりによる集客もまだまだ有効
不動産業は地域密着型なので、看板やのぼりでの集客がまだまだ有効です。
インターネット経由では獲得できない顧客へアプローチが可能になります。
許可を得れば、事務所だけでなく取扱い物件付近でも看板やのぼりを設置できる場合が多いです。
より多くの集客につながるように、設置場所を工夫しましょう。
また、のぼり制作は不動産業に強い業者に依頼することがおすすめです。
色や視認性といったデザインのノウハウを持っているのぼり業者を使えばアピール力アップができ、関連法令にも詳しいので安全です。
不動産集客用ののぼり制作は以下のような業者が専門的に行なっています。
5.理解必須の不動産見込み顧客の購買ステップ
多くの見込み顧客は、購買ステップで一定のプロセスを繰り返すことが多く、不動産購入において基本的な購買ステップは以下の6ステップです。
- 認知・関心
- 情報収集
- 候補の洗い出し
- 調査・比較検討
- 交渉
- 購入
不動産業は人と人との信頼を基盤とする業種なので、商圏は比較的限定された状態で開業する場合が多いです。
ですから、不動産業の集客においては、1人の顧客に対して継続的なアプローチをするのが効果的といわれています。
ただし、上記の購買ステップのなかで不動産の集客を行うには、その見込み顧客が賃貸を求めているか購入を求めているかの属性を把握することが重要です。
賃貸派か購入派かで異なる購買プロセスの周期
不動産業の顧客層は、賃貸か売買かによって購買プロセスの周期が大きく異なります。
ですから、それぞれの特徴をきちんと把握した上で集客アクションを起こすことが大切です。
「賃貸」の見込み顧客と「購入」の見込み顧客の特徴は以下です。
- 「賃貸」の見込み客特徴
上記1~6までの一連のサイクルを1〜2年周期で繰り返す場合が多い
- 「購入」の見込み客特徴
上記2~4のサイクルを複数回、数年に渡って繰り返す。
そして次のステップに進むが、5から6に至るまでの期間は比較的短い。
それぞれの購買ステップやスパンの違いを理解しましょう。
他社で賃貸契約をした「賃貸」属性の見込み顧客や、過去に「まだいいかな」と断られた「購入」属性の見込み顧客に対しても、効果的なタイミングで再アプローチすることが有効です。
不動産業での集客効果の可視化
不動産業の顧客層を踏まえたうえで重要なのは、集客方法の効果を可視化(見える化)する仕組みの準備です。
集客方法にどのくらいの反響があったかを分析しなくては、次回の集客作業にうまく繋げられません。
#1.集客効果を見える化するGoogleアナリティクス
ホームページにおいて、反響の見える化に役立つのは無料の解析ツール「Googleアナリティクス」です。
Googleアナリティクスを設置するとわかる主要なデータには以下があります。
- リアルタイムの訪問者数
- 訪問ユーザーの年齢や性別
- 訪問ユーザーがアクセスした地域
- 訪問元リンク(広告か自然検索かなど)
- 資料請求数や問い合わせ数
このようなデータが細かく一覧表示されます。
ホームページやブログには必ずGoogleアナリティクスと紐付けさせた資料請求ページ・問い合わせページを設置しましょう。
そして、それらのページに誘導するバナーを、他のページに配置します。
そうすれば、Googleアナリティクスのデータを見るだけで、どのページの・どのバナーが・どれくらい顧客の反響を得られたか、を細かく分析することが可能です。
#2.さらに踏み込んだABテストでの集客力分析
Googleアナリティクスのデータを活用して集客力をあげる方法の一つに、「ABテスト」があります。
ABテストではホームページの一部かページそのものを、Aパターン・Bパターンの2種類用意します。
そしてA・Bのどちらが、お問い合わせ件数や資料請求件数などのより高い集客効果を得られるかを確かめるのです。
そうすることで、効果的なキャッチコピーや、リンクを貼る位置、画像のクリック率などを知ることができます。
効果が高かった集客テクニックをほかのページにも応用できるので、ホームページ全体の集客力を上げられるようになります。
まとめ
不動産業界は情報ツールの多角化によって、今後もさらなる伸びが期待されています。
個人でも開業できるため、新規参入プレイヤーも増加の傾向をたどっています。
競合が増える中でも安定した経営を保つには、集客力を継続して強化することが重要です。
集客を強化するにあたり、以下の2点が重要ですので、常に意識するように心がけましょう。
- 集客は掛け算!集客方法の「組み合わせ」を間違えない
- 集客効果は必ず「見える化」できる仕組みをつくる
以上の2点を経営者自身が把握していれば、業務上委託できる部分は専門家に依頼することにより経営効率がアップします。
ホームページ制作やWeb広告業者などの外部の専門家をうまく利用すれば、速く、安く、そして効率的に「お客がお客を呼ぶ」集客のサイクルを作り出せます。
集客のサイクルを手に入れれば、すべての不動産業経営者にとって、集客は面倒でマイナスな作業ではなく、経営を楽しめる最高のツールへと変わるでしょう!