「会社の運営にあたって融資を受けたいが、手数料や金利はどのくらいかかる?」
「中小企業におすすめの低金利の融資が受けられるのはどこだろう?」

このように悩んでいませんか?

実は中小企業が融資を受けられる金融機関にはいくつかの種類があり、自社に適した融資先を見つけることで低金利で融資が受けやすくなります!

今回は、融資先の金融機関ごとに特徴や金利・手数料の相場を紹介するのに加えて、融資に通るために気を付けたい3つのポイント、中小企業におすすめの低金利融資先2選についても紹介します!

この記事を読んで銀行融資について理解し活用することで、自社の会社運営に役立ててください。

1.融資の金利・手数料相場 種類別3つ

融資の金利・手数料は融資を借りる相手によって異なります。

今回、中小企業が利用することの多い下記の3種類の相手ごとに金利・手数料がどのくらい必要かを説明します。

  1. 政府系金融機関の場合
  2. 銀行系金融機関の場合
  3. ノンバンク系金融機関の場合

順番に説明します。

(1)政府系金融機関の場合

中小企業が融資を受けるにあたり、一番低金利でおすすめなのが政府系金融機関です。

日本政策金融公庫は、政府系金融機関の中でも最も中小企業がお世話になる金融機関です。

2008年まで中小企業金融公庫と呼ばれていた組織が現在は日本政策金融公庫に統合されています。

日本政策金融公庫の目的は中小企業の事業を活性化のために運転資金の調達をしやすくするという内容です。

そのため、中小企業に向けて民間企業では出せない低金利融資を提供してくれます。

日本政策金融公庫の金利は2019年時点で0.30%~2.85%程度です。

このように、日本政策金融公庫はその成り立ちから考えても中小企業にとって一番融資を受けやすい、低金利で融資が受けられる金融機関です。

(2)銀行系金融機関の場合

中小企業が融資を受けるにあたり、次におすすめなのが銀行系金融機関です。

銀行系金融機関とは、都市銀行・地方銀行・信用金庫・信用組合などといった預金を取り扱う金融機関を指します。

日本政策金融公庫ほどの低金利ではありませんが、第2の選択肢としておすすめの金融機関です。

銀行系金融機関の中でも、規模が大きいほど(都市銀行>地方銀行>信用銀行)低金利になる傾向にあります。

銀行系金融機関(都市銀行)の金利は2019年時点で2.125%~9%程度と言われています。

このように、銀行系金融機関は日本政策金融公庫に次ぐ低金利の金融機関です。

銀行融資の融資の受け方や手順について詳しくはこちらの記事で解説しているので合わせて参考にしてください。

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(3)ノンバンク系金融機関の場合

中小企業が融資を受けるにあたり、もう1つの選択肢になるのがノンバンク系金融機関です

ノンバンク系金融機関とは、消費者金融・信販会社・リース会社などの預金を取り扱わない金融機関を指します。

ノンバンク系金融機関は上で紹介した2つの金融機関に比べて金利は高いのが特徴です。

しかし、2つの金融機関に比べて審査に通りやすく、融資を受けられるスピードが速いという長所があります。

ノンバンク系金融機関(法人カードローン)の金利は2019年時点で6.0%~18.0%程度です。

このように、ノンバンク系金融機関は高金利だけれど融資スピードが速いのが特徴の金融機関です。

[box class=”blue_box” title=”金利と融資スピードの関係”]

ここまで紹介した3つの金融機関を比べたとき、金利が低いほど融資スピードは遅くなり、金利が高いほど融資スピードは速くなるという傾向があります。

金利が低い場合、金融機関としては利息の収入が少なくなるため1企業でも資金を回収できない場合損益が悪化し経営に支障をきたすリスクが高くなります。

そのため、取引先からは必ず資金を回収せねばならず、審査には慎重を期す必要があり時間が長くなるのです。

一方、金利が高ければ利息収入が多いため一部の取引先で資金を回収できなかったとしても全体としてはカバーできます。

その結果、審査は必要最小限にとどめ融資スピードを速めることができるのです。

これらの特徴を理解し、資金が必要な時期と利息のバランスを考えながら必要な金融機関を選択するようにしましょう。

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2.固定金利と変動金利

融資を受ける際の金利には、固定金利と変動金利の2種類があります。

固定金利の場合、借入期間中の金利は固定され途中で変わることはありません。

一方、変動金利は借入期間の途中で金利が変わる可能性があります。

借入期間の途中で金利が上がれば固定が得で、金利が下がれば変動が得です。

固定金利は借入期間中に金利が上がった場合のリスクがなくなる分、変動金利に比べて通常0.5~2%ほど金利が高くなります。

政府系金融機関や制度融資(詳細は後ほど紹介)の場合には固定金利が利用されることが多く、銀行のプロパー融資の場合は変動金利が利用されることが多いです。

このように、融資を受ける際の金利は固定金利と変動金利の2種類から選択することになります。

3.金利を下げる3つの方法

次に、金利を下げられる可能性のある以下の3つの方法を紹介します。

  1. 信用保証協会付きで融資を受ける
  2. キャンペーンを利用する
  3. 金融機関との信頼関係を築く

順番に説明します。

(1)信用保証協会付きで融資を受ける

信用保証協会付きで融資を受ける場合、金利を下げられる可能性があります。

信用保証協会とは、中小企業が金融機関から融資を受ける時に債務を保証することによって資金を借りやすくすることを目的とした公的機関です。

信用保証協会の会員になることができれば、万一銀行からの融資を滞納することになってしまっても信用保証協会が肩代わりをしてくれます。

銀行側から見れば、それだけリスクなく資金を貸し出せることになります。

そのため、信用保証協会付きで融資を受けると審査が通りやすくなったり、低金利が実現しやすくなるのです。

ちなみに、信用保証協会の会員となった上で融資を受けることを信用保証付け融資、それ以外の融資をプロパー融資と呼びます。

創業間もない企業やまだ十分な実績のない会社であれば、多くの場合信用保証付け融資を紹介されることになるでしょう。

ただし、信用保証協会に入るためには審査があり、また加入できた後には会費がかかります。

このように、金利を低くしたい場合には信用保証協会付きの融資を受けるという方法があります。

(2)キャンペーンを利用する

金融機関が実施するキャンペーンを利用して融資を受ける場合、金利を下げられる可能性があります。

金融機関が定期的に実施するキャンペーンの多くは新規顧客を増やすことが目的です。

キャンペーンは個人向けの融資に多く見られますが、法人向けの融資にキャンペーンが企画されている場合もあります。

このキャンペーンをうまく利用して融資を申請することができれば、通常より低金利で融資を受けられるでしょう。

(3)金融機関との信頼関係を築く

金融機関との信頼関係を築くことでも、金利を低く抑えられる可能性があります。

金融機関は、融資の可否や金利を決定するにあたって審査を行います。

決算書などすでに数字が決まっているものはもちろんのこと、それ以外にも企業の将来性や経営者の手腕などさまざまな基準で審査を行いを総合的に判断を行います。

そのため、金融機関に対しては必要な情報を積極的に開示し、自社の魅力を十分に理解して信頼してもらうことが大切です。

また、最後は人と人とのつながりですから、金融機関の担当者に何とかこの企業を応援したいと思ってもらうことができれば、金利を少しでも下げられるよう手をつくしてもらえるものです。

担当者が親身になってくれれば融資が通りやすくなるためのアドバイスももらえるかもしれません。

このように、金利を少しでも低く抑えたい場合には、金融機関に対して誠実に対応し信頼関係を築くことも大切です。

4.中小企業におすすめの低金利融資2選

最後に、中小企業におすすめしたい低金利の融資を以下の2種類紹介します。

  1. 日本政策金融公庫
  2. 制度融資

順番に説明します。

[box class=”blue_box” title=”融資以外の資金調達方法”]

今回の記事で紹介する金融機関からの融資のほかにも資金調達の方法があります。

具体的には、補助金や助成金を利用するという手段です。

補助金や助成金について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

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(1)日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、上述の通り中小企業の事業活性化を目的とした低金利が特徴の国が100%出資する金融機関です。

金利以外にも下記の通りさまざまなメリットがあります。

  1. 実績不足や経営状況の悪化により他の金融機関で審査が通らない場合でも日本政策金融公庫なら融資が通る場合がある
  2. 融資や事業自体についての相談を受けられる
  3. 資金繰りが厳しい場合には返済の減額交渉ができる
  4. 創業融資に関しては無担保・無保証でも融資を受けられる

日本政策金融公庫の中小企業向け融資の代表的なサービスは以下の通りです。

分類 融資制度 限度額 金利(※)
新企業育成貸付 新事業育成資金 6億円 0.30%~3%
女性、若者/シニア起業家支援資金 7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円) 0.30%~
再挑戦支援資金 7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円) 0.46%~
新事業活動促進資金 7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円) 0.30%~
中小企業経営力強化資金 7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円) 0.71%~
企業活力強化貸付 企業活力強化資金 7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円) 0.30%~
IT活用促進資金 7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円) 0.30%~
海外展開・事業再編資金 7億2,000万円(うち運転資金4億8,000万円) 0.46%~3%
地域活性化・雇用促進資金 7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円) 0.30%~
事業承継・集約・活性化支援資金 7億2千万円 0.46%~3%
観光産業等生産性向上資金 7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円) 0.46%~
働き方改革推進支援資金 7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円) 0.46%~
環境・エネルギー対策貸付 環境・エネルギー対策資金 7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円) 0.30%~
社会環境対応施設整備資金 7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円) 0.30%~
セーフティネット貸付 経営環境変化対応資金 7億2千万円 1.11%~3%
金融環境変化対応資金 別枠3億円 1.11%~3%
取引企業倒産対応資金 別枠 1億5,000万円 1.11%~
企業再生貸付 事業再生支援資金 7億2,000万円(うち運転資金2億5,000万円) 1.11%~3%
企業再建資金 7億2,000万円 0.46%~3%

※実際の金利は条件や信用リスク・融資期間等に応じて決定します。

詳しくはサイトを閲覧して確認してみてください。

このように、日本政策金融公庫は中小企業を支援するためのさまざまな融資サービスを備えたおすすめの金融機関です。

(2)制度融資

制度融資とは、各地方自治体が信用保証協会と金融機関と連携して展開している融資の仕組みです。

地方自治体が窓口となり、企業からの申し込みを受けます。

地方自治体は金融機関に対して制度融資のあっせんを行うとともに、自治体によっては預託金を提供したり利息の一部を負担する役割を担います。

信用保証協会が融資の保証人となりますが、こちらも地方自治体が保証料の一部を負担する場合もあります。

このような仕組みを構築することで、金融機関の貸し倒れリスクを軽減させることができ、起業したばかりの中小企業でも融資を受けやすくなるのです。

制度融資は、銀行を競わせるという主旨のものではないため、どの銀行を通しても基本的に金利・保証料率は一定です。

制度融資にも下記の通りさまざまなメリットがあります。

  1. 格付けが低い企業にとっては通常の銀行融資よりも低金利になる可能性が高い
  2. 据置期間(金利だけを返済すればよく元本の返済は不要)が1年前後と長く、余裕を持った返済ができる
  3. 自治体によっては、地方自治体が金融機関の利息や信用保証協会の保証料の一部を補助してくれる

ただし、制度融資は審査期間が2~3か月と非常に長いため注意が必要です。

これは地方自治体・金融機関・信用保証協会それぞれの手続きや審査が必要となるためで、必要書類も多く手間もかかります。

制度融資を利用する場合には余裕を持ったスケジュールで申請手続きを行うように気を付けましょう。

制度融資の代表的なサービスは以下の通りです。

地域ごとに制度融資の内容は異なりますので、詳細は各自治体のサービス内容をご確認ください。

まとめ

この記事では、融資先の種類ごとに特徴や金利・手数料の相場、融資に通るために気を付けたい3つのポイント、中小企業におすすめの低金利2選を紹介しました。

中小企業が利用しやすい融資先を選ぶことができれば、低金利で融資が受けられやすくなります。

ぜひこの記事を読んで自社に適した融資先から融資を受け、自社の会社運営にお役立てください!

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