「無人のコインランドリーが新規事業におすすめと聞いたけど、開業は何から手をつければいいのかわからない」
「低資金で始められるフランチャイズあるの?」
「立地条件に合わせて新規顧客を増やすにはどうすればいいの?」
「新規開業でチラシ広告を出したけど、いまいち集客効果を実感できない」

核家族化や単身者の増加、持ち物を厳選して不要なものを持たないミニマリズムや、シェアリングの流行りも相まって、コインランドリーの需要は今後もますます増え続けると考えられています。

しかしコインランドリー開業を考えてはみたものの、多くの方が上記のような悩みにぶつかります。

結論を先にいうと、コインランドリーの最重要ポイントである立地選び、そしてコインランドリー集客の鉄板手法を連動させることが重要です。

コインランドリー業界に合った集客方法を連動させれば、地域に根付いたコインランドリーとして手間をかけることなく半自動的に常連さんを獲得しつづけて高収益を生み出してくれるでしょう。

デジマチェーンが、コインランドリー業界で起業する方法、開業の際のコツ、おすすめのフランチャイズ、鉄板の集客方法を説明します。

1.コインランドリー開業に必要な資格・許認可

コインランドリーは、経営において公的な資格は必要ありませんが、開業時には保健所にコインオペレーションクリーニング営業施設開設届けを出す事で開業できます。

コインランドリーの正式名称は、「コインオペレーションクリーニング営業施設」です。

届出には、添付書類として以下の書類が必要になります。

  • 構造設備の概要
  • 付近見取り図
  • 洗濯機等の配置図

その後、保健所の担当者による監査に立ち会い、問題が無ければ「検査済証」が交付されます。

詳細は、コインランドリーを開業するエリアを管轄する保健所に確認しましょう。

コインランドリー開業は立地が命

コインランドリーは顧客が荷物(洗濯物)を持って訪れる場所ですから、立地が重要です。

自己所有の土地建物であれば家賃がなく有利と考えて、コインランドリーの開業を検討される方も多いかもしれません。

しかし、立地が悪ければむしろ安くて適した物件を借りる方がおすすめです。

以下の点をよく考えて立地を選びましょう。

  1. 駐車しやすいコインランドリーか
  2. コインランドリーを使う層が近隣にいるか

それぞれ説明します。

駐車しやすいか

必ずしも駐車場が必要というわけではなく、狭くて入れにくい駐車場よりは、近くで路上駐車が簡単にできる場所の方が有利です。

そんなに運転が上手でない方でも、簡単に車を止めて荷物を持って行き来できる立地かどうかが重要になります。

店舗前に中央分離帯があるような場所、広い幹線道路に面した場所は広告効果が高く有利に見えるかもしれません。

しかし、実は右折して訪れるのが難しいので避けるべきです。

コインランドリーを使う層が近隣にいるか

住宅街の中にある土地の方がコインランドリー向きだと言えます。

近くにアパートやマンションが多いことや、近くに大学があることは有利な条件です。

また、スーパーやコンビニ、書店など、待ち時間を過ごせる施設が近くにあることも重要です。

しかし注意すべき点として、コインランドリーは「第一種低層住宅専用地域」には出店できません。

出店場所の用途用地は必ずこちらのサイトで確認しておきましょう。

その他の一般的な開業手続き

一般的な開業手続きや届出は以下の表を参考にしてください。

ただし、ほとんどのコインランドリーは無人で行い、従業員の雇用は発生しないケースがほとんどです。

コインランドリーの一般的な開業手続きや届け出一覧

区分 手続き 関係官公庁
個人 開業届と青色申告 税務署
法人 健康保険・厚生年金関連 社会保険事務所
法人 雇用保険関連 公共職業安定所
法人 労災保険関連 労働基準監督署
法人 税金(所得税、消費税) 税務署

2.コインランドリーの開業資金と収益モデル

以下の表は、遊休地に店舗面積20坪のコインランドリーを開業した場合の開業資金モデルです。

立地により建築費や設備工事費、などの初期投資額は大きく異なります。

また、店舗を賃貸して開業する場合は、賃料も加わります。

項目 初期投資額
店舗の建築費 約600万円
設備工事費(電気・ガス・水道・内装・看板等) 約300万円
洗濯機  30kg 1台 約200万円
洗濯機 18kg 3台 約390万円
洗濯機 12kg 2台 約200万円
洗濯機 7kg 1台 約140万円
乾燥機 34kg 2台 約220万円
乾燥機 25kg 2台 約180万円
乾燥機 14kg 2台 約120万円
合計 約2350万円
※地域や個別ケースによって大きく異なります

開業資金調達に利用できる補助金・融資

コインランドリーの開業に必要なものを購入する資金の調達には、以下の2つの融資や補助金を使える可能性があります。

  1. 新創業融資
  2. 小規模事業者持続化補助金

それぞれを説明します。

#1.銀行より低金利の新創業融資

市中銀行より有利な、日本政策金融公庫の新創業融資を利用できる可能性があります。

新創業融資は、政府系金融機関である日本政策金融公庫で、無担保・無保証・連帯保証人・スピード融資で融資を受けられる有利な融資制度です。

以下の記事で新創業融資について説明しています。

#2.返済義務のない小規模事業者持続化補助金

従業員数が20名以下の小規模事業者が、新規事業として開業を検討中であれば、返済義務のない小規模事業者持続化補助金を活用できるかもしれません。

以下の記事で小規模事業者持続化補助金について説明しています。

コインランドリーの利回りと収益モデル

コインランドリーの利回りと収益モデルは実際にはどのようなものでしょうか。

下記に例をあげてみましょう。

モデル例:24時間経営で洗濯機3台・乾燥機3台の比較的小規模なコインランドリー

客単価:800円〜1000円

利用者数:1時間に平均1人の利用

売上(日):約2.1万円

売上(月):約65万円

支出:約25.5万(内訳は以下)

  • 水道光熱費:15万
  • 雑費:0.5万
  • 人件費(消耗品補充や売上回収):5万円

他支出:約15万(内訳は以下)

  • FC加盟の場合のロイヤリティー:約5万
  • 賃料(土地を借りている場合):約10万

ですから月の収益は、65万-25.5万-15万=約25万円、年間収益は25万x12=約300万円です。

実際にコインランドリー事業を回している方々の平均は、月当りの収益約20万〜40万円といったところです。

開業資金が2000-2400万円とすると、6.5〜8年あれば創業資金の回収が可能になります。

コインランドリーの利回り(年間収益/開業資金X100)は約10-15%ですから高利回りといえるでしょう。

ただし、開業する土地により利回りは大きく異なるのは覚えておきましょう。

3.コインランドリー開業が人気な理由

コインランドリー経営は以下の3つのメリットから人気です。

  1. 安定した収入が見込める
  2. 投資効率が高い
  3. 経営ノウハウが不要

それぞれのメリットについて説明します。

安定した収入が見込める

洗濯という日常生活に欠かせないことを商品にしているサービスなので、景気にあまり左右されないのが強みです。

そのため、安定した売り上げが期待でき、最初にしっかりと利用者を取り込むことにさえ成功すれば、浮き沈みの少ない業種だと言われています。

投資効率が高い

ランニングコストが小さいコインランドリーの粗利率は平均して7割~8割ほどです。

立地が良ければ、20平米ほどの広さでも、十分な売り上げが計算できます。

初期投資の費用は大きいですが、初期投資を早期回収できるのがコインランドリー経営の魅力です。

経営ノウハウが不要

コインランドリーの開業には専門的な技術や知識は必要ありません

アパート経営や駐車場経営のような契約業務が発生しないシンプル経営が可能です。

4.経営は個人とフランチャイズのどちらが有利?

コインランドリーは、個人経営とフランチャイズの2つのビジネスモデルがあります。

それぞれの以下の表のようにメリット・デメリット・集客方法などが異なります。

運営形態 メリット デメリット おすすめの集客方法
個人運営
  • これまでにない新しい店舗にも挑戦できる
  • 利回りが高い
  • 機器の選択が自由
  • 開業前の準備や調査を自分で行わなければならない
  • 看板
  • チラシ
  • Googleビジネスプロフィール(旧:Google マイビジネス)
  • ブログ・ホームページ
  • ICカード
フランチャイズ運営
  • 開業前の地域調査や業務計画を立ててもらえる
  • 運営実績のあるノウハウやネームバリューを利用できる
  • プリペイドカードによる顧客囲い込み可能(FCによる)
  • ロイヤリティーが発生する場合がある
  • 機器等が指定される場合がある
  • 経営の自由度が低い
  • チラシ
  • Googleビジネスプロフィール(旧:Google マイビジネス)
  • プリペイドカードとICカード

これまでに店舗経営の経験がない方は、これらの手間がかからないフランチャイズがオススメです。

フランチャイズに加盟すると、開業前の地域調査や事業計画を行なってもらえるので、開業前の準備が大幅に楽になります。

内装や機材も一から選ぶ必要がありませんし、大手のフランチャイズの知名度を使って経営が始められますので宣伝効果も期待できます。

以下に主要なコインランドリーフランチャイズを4社紹介します。

  • eco-laundry マンマチャオ
  • ecoLuxエレクトロラックス
  • あるゾウランドリー
  • Fine・ecoコインランドリー

それぞれのフランチャイズについて説明します。

eco-laundry マンマチャオ

eco-laundry マンマチャオは洗浄の水に活性水のお湯で行うことで、「すすぎ1回」で綺麗に落ちるを実現した人気のフランチャイザーです。

洗剤にもこだわりがあり天然由来成分で体にも優しく、節水、省エネにもなります。

ロイヤリティーは、月5万円+売上の10%程度発生が目安です。

ecoLuxエレクトロラックス

ecoLuxエレクトロラックスは、掃除機などでも有名なエレクトロラックス社が運営するコインランドリーです。

機器は洗練された北欧デザインで女性にも人気があります。

機材のトラブル等も国内で在庫を所持しているため安心です。

ロイヤリティーが発生しないのもポイントです。

あるゾウランドリー

あるゾウランドリーは、株式会社松堀不動産が運営するコインランドリーです。

カフェをイメージしたお洒落な店舗で、業務用機材ならではのスピードと高い洗浄力で仕上げます。

ロイヤリティーは月3万円ほどが目安です。

Fine・ecoコインランドリー

Fine・ecoコインランドリーは株式会社ダイワコーポレーションが運営しているフランチャイズです。

全国にFC店舗1600店舗、直営店舗が230店舗あります。

ロイヤリティはありません。

5.コインランドリー業におすすめの集客方法6選

「集客は足し算ではなく掛け算」ですから、組み合わせて連動させれば、集客効果は何倍、何十倍にもなります。

逆に言えば、連動できない集客方法を組み合わせても足し算以上の効果は生まれないので注意が必要です。

コインランドリーには以下の集客方法の連動が特におすすめになります。

  1. まずはお店を目立たせる「看板、のぼり、ウェルカムボード」
  2. チラシのポスティングで周辺住民へアプローチ
  3. Googleビジネスプロフィール(旧:Google マイビジネス)への利用
  4. 位置情報広告で顧客を絞り込む
  5. ブログ ・ホームページで情報発信
  6. プリペイドカード・ICカードは集客実績あり

それぞれの方法について説明します。

まずはお店を目立たせる「看板、のぼり、ウェルカムボード」

通りがかりにコインランドリーの看板やのぼりを見かけて、「新しくコインランドリーができたんだ、今度使ってみよう」と思わせて店舗をアピールしましょう。

離れたところからでも見える看板や、のぼり、ウェルカムボードで「布団丸洗いOK」などの特色を宣伝することで、より効果的に集客できます。

チラシやネットの広告と併用すると、より一層効果が上がるでしょう。

チラシのポスティングと設置で周辺住民へアプローチ

新しいコインランドリーが、周辺住民に認知されるのに有効な集客方法がチラシです。

チラシはポスティングと設置によって配布できます。

ポスティングは、直接周辺住宅に配布できる利点がありますので、コストはかかりますが非常に有効です。

設置は、無料で設置できる場所と有料で設置できる場所があり、それぞれ幅広い客層に長期的に宣伝 できます。

有料で設置できる場所は、スーパーやコンビニ、駅や郵便局などがあり、多くの場合月単位の契約です。

無料での設置は、設置場所のオーナーに交渉して行いましょう。

設置場所としては、宿泊施設やカフェなどの飲食店、書店などがあります。

洗濯のできない宿泊施設ではコインランドリーの情報は喜ばれるので、積極的に設置場所を増やすと良いでしょう。

チラシのポスティングと設置は、ウェブではアプローチが難しい層への提案も可能にしますので積極的に取り入れていきましょう。

Googleビジネスプロフィールの利用

Googleビジネスプロフィール(旧:Google マイビジネス)とは、Googleでネット検索した際に表示される地図情報や店舗情報です。

ほとんどのユーザーは、ネットでコインランドリーを検索する場合、いますぐ利用できる近くのコインランドリーを探しています。

すぐにでも行って洗濯を行いたいのです。

Googleでは検索結果に優先的に付近のコインランドリー情報を表示します。

検索結果に表示されるGoogleマップと連動した店舗情報が集客に非常に有効です。

検索結果に表示されるためには、Googleビジネスプロフィール(旧:Google マイビジネス)への登録が必要となります。

Googleビジネスプロフィール(旧:Google マイビジネス)の始め方・活用方法についてわかりやすく説明していますのでご覧ください。

登録と利用は基本無料です。

店舗情報には、写真や口コミも載せられ、集客効果があります。

付近に競合のコインランドリーがある場合は同時に表示されるため、その中から選ばれるためにも、内装の画像などで差をつけると良いでしょう。

位置情報広告で顧客を絞り込む

ジオターゲティング広告とも言われる位置情報広告は、スマートフォンから取得したGPS・Bluetooth・Wi-Fi等の位置情報データをもとに受け手を絞って配信される広告です。

店舗型経営に強い集客方法なので、コインランドリーでも威力を発揮するでしょう。

行動履歴をもとに特定のエリアに訪れたことがあるターゲットに、ピンポイントで広告を打つことができます。

例えば、以下のようなターゲティングが可能です。

  • ライバルのコインランドリー店舗を訪れたことのある人
  • 自店舗から半径5kmに居住する人

ジオターゲティング広告は新店舗の認知促進や、潜在層の掘り起こしに効果的な広告手法です。

ジオターゲティング広告(位置情報広告)の仕組み、メリット・デメリット、主なプラットフォームについて説明しています。

ブログ・ホームページによる集客

コインランドリー側からの情報発信に有効なのがブログやホームページです。

多くのコインランドリーは、他社との差別化をはかるための施策があっても、その情報発信が十分にされていない傾向があります。

ブログやホームページを使えば、他のコインランドリーと差別化することが可能です。

例えば、店舗の特色やこだわりポイントについて、 深い情報提供ができ、新規顧客の誘導ができます。

店舗の外装や内装を表示すれば、見込み顧客へ与える安心感を増やすことが可能です。

また、顧客満足度をあげ、リピーターのファン化を促します。

ファン化が促せれば、安定した固定客の獲得や、口コミによる拡散という相乗効果も期待でるでしょう。

SNSと連動させれば、より密に顧客と双方向のコンタクトができるため、さらに顧客満足度の向上が期待できます。

ブログによる集客の始め方・活用方法についてご覧ください。

ホームページ集客の始め方・活用方法についてご覧ください。

プリペイドカード・ICカードは集客実績あり

プリペイドカードとICカードも効果的な集客の方法で、フランチャイズで多く採用されており顧客の囲い込みをサポートします。

カード割引やポイント制を導入すれば、顧客はお得感を感じるでしょう。

また、集客効果の検証にも有効です。

ICカードは小銭をわざわざ用意する必要がなく、最近ではユーザーへの訴求性が高くなっています。

ICカードの導入は、機器の後付けも可能であるため、個人経営にも容易である点も見逃せません。

導入により、先進的なイメージもつくことから現在のニーズにあった有効な集客方法です。

6.今コインランドリーは女性の顧客が最重要

現在のコインランドリーは女性が主な顧客となっており、コインランドリーのイメージも「明るく綺麗、清潔感がある」店舗が人気になっています。

単身者の男性や学生が主な顧客で、「狭くて薄暗い」「男性が利用する」というイメージがあり、女性は利用を敬遠していたのは昔の話です。

コインランドリーの経営を成功させるには、メインターゲットを決め、それに合わせた店舗作りが必要となってきます。

メインターゲットを定めない経営では、根強い固定客がつきにくく、競合ができた場合に顧客が離れていきやすくなるため注意が必要です。

最近の主流は、メインターゲットを若者や女性にした店舗で、おしゃれで清潔感がある居心地の良い内装が増えてきています。

例えば、メインターゲットを、最近需要の増えている女性、特に子供の洗濯物が多い多忙な30〜40代の女性としましょう。

であれば、以下のような施策や設備は訴求の高い売りとなります。

  • ドレッサーがあって化粧直しができる
  • ベビーベッドが設置されている
  • 夜でも安心して利用できる環境や防犯対策

メインターゲットに合わせた店舗作りで、集客力アップを目指せます。

まとめ

コインランドリー業界全体のイメージアップによって、これまでコインランドリーを敬遠していた層が安心して使えるようになっており、ますます需要が高まっていくことが期待できます。

清潔感、おしゃれ、明るいことを推して集客を行えば、顧客はコインランドリーに通うことに抵抗がなくなり、むしろ気分転換になる場所になるでしょう。

子育て世代への応援として社会貢献にもつながります。

集客で大切なのは、複数の集客方法を組み合わせ、相乗効果を狙うことです。

この記事で紹介したチラシ看板やのぼりに比べて、Googleビジネスプロフィール(旧:Google マイビジネス)ブログ・ホームページなどのウェブ集客に苦手感を抱く経営者も少なくありません。

しかしウェブ集客は少人数での内製運用が可能ですし、コインランドリー経営でも実績が証明されています。

ウェブ集客の運用に挑戦したい方は、ウェブ集客にスポットを当てた短期集中型のセミナーや講座に参加するのがおすすめです。

講座やセミナーのための時間や手間も惜しいという方は、ウェブ集客のノウハウが豊富な専門の事業者へ運用を代行してもらうことも可能でしょう。

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