デジマチェーン編集部でもいつも参考にさせていただき、絶大な信頼を置くアイオイクス様のSEO Japanで「やはり・・・でも、、、うーむ」と考えさせられる記事があったので紹介します。
コンテンツSEOを含めて、Google支配が進むSEOの行く末について考えさせられました。
検索結果1位のクリック率は25%超。Google検索のCTR最新調査データ
「平均では」4人に1人は検索1位をクリック
画像引用 https://www.searchenginejournal.com/google-first-page-clicks/374516/#close
何十億人もの検索結果を調査した結果、Googleで検索するユーザーのうち、25%以上が自然検索結果の1位をクリックしていることが判明した。
新たに発表された調査データによると、Googleの検索結果の1位の平均CTRは28.5%であった。
ちなみに記事の中にも触れられている3年前のデータがこちらです。縦軸横軸が2020年と逆転しているので少し見にくくて申し訳ありません。
画像引用 https://www.internetmarketingninjas.com/additional-resources/google-ctr-white-paper.htm
明らかに検索1位のCTR(クリック率)上がっています。2017年が21.12%だったのが、2020年では28.5%。もちろんサンプルが違うのでそのまま比べても仕方ないですが、この傾向をそのまま信じれば「検索1位!」の価値は相変わらず大きそうです。
しかもよく見ると、全体的にCTRが上がっています。現在10位のCTR(2.8%)でも3年前の6、7位と同等の価値を持ってます。やはりSEOをがんばって、検索上位に自社ページをランキングすることで見込み顧客の効果的な集客ができるでしょう。
と、楽観視させるためにこの記事を紹介したのではありません。
Googleは検索結果画面をユーザーの意図に合わせて作り変えている
上記のデータはあくまで平均です。現在Googleの検索結果画面はキーワード(と検索ユーザー属性)に合わせて多様に変化します。
キーワードと検索しているユーザー属性をもとに、Googleが「このユーザーは今こんな情報を欲しているに違いない!」と検索画面の形を変えているのです。
従来のような、10個のサイトのURLとスニペット(説明書き)が行儀よく並んでいるという検索画面の方が珍しくなってきました。特に競争の激しい人気キーワードでは、まず見かけられません。
では、検索結果画面はどのように変わっているのでしょうか?主に以下の4つです。
- サイトリンクを含む
- 強調スニペットを含む
- ナレッジパネルを含む
- Google広告を含む
上記4つのケースで、CTRがどのように変化するのかを説明してくれているのが今回のSEO Japan記事のポイントです。
サイトリンクを含むSERPは半数近くが1位をクリック
検索結果でのサイトリンクというのは、主に社名やサービス名での指名検索で上記のSEO Japanさんの例のようにサイト内のカテゴリーや主要ページへのリンクが、説明文とともに表示されるパターンです。
指名検索は、BtoBだけでなく、BtoCにおいてもいわば憧れの検索結果です。CTRも46.9%と、半分近くの検索ユーザーを自社サイトに誘導できます。
サイトリンクを持つ1位のページは、実に46.9%のCTRを誇る。
これは、特定のウェブサイトが検索されたときにサイトリンクがGoogleによって表示されるという事実に起因していると考えられる(指名検索)。
もちろんサイトリンクが表示されるかどうかはGoogleの判断次第です。指名検索を得るための施策は絶対的なSEOですが、小手先のSEOでは得られません。検索エンジン側も単なる指名検索回数だけで、サイトリンクを表示するか判断しているとは思えません。
弊社もいつか「デジマチェーン」でサイトリンクをつけてもらえるように、まずは業界内のプレゼンス・知名度を上げていき、信頼を積み重ねていかなければならないでしょう。
強調スニペットがある場合は1,2位のCTR差が縮小
強調スニペットとは、上記弊社ページの例のように、「・・・とは?」のような質問に対する直接的な答え(とGoogleエンジンが判断した記載)が表示されるパターンです。
強調スニペットが表示されているSERPのCTRは、平均より5.3%ポイント低い。
この研究では、検索結果に強調スニペットが表示されているWebページにはメリットがないとしている。
実際、検索結果の最初の1位に強調スニペットが表示された場合のCTRは、2位と3位が平均を上回っています。
つまり、強調スニペットが表示されるクエリーでは、最上位に表示されるメリットが相対的に低くなるということです。逆に2位でも20%以上のCTRを得ていることを考えると、2,3位の価値は相対的に向上しているとも言えます。
確かに、強調スニペットで知りたい答えが得られれば、それ以上クリックしなくてもいいというユーザーが多いと思われます。
Googleの確固とした意志「すべての検索へのアンサーをGoogleが与えよう!」が顕著に現れています。
ユーザーが直接知りたい答えだけでなく、潜在的なベネフィットやインサイトに訴える記事作り、タイトル作りの必要性が高まるでしょう。
ナレッジパネルがある検索結果は1位を狙わなくともOK?!
ナレッジパネルとは、上記のあるユニクロ店舗の検索のように、検索キーワードに関する情報をGoogleが自動でまとめてパネルとして表示するパターンです。
ナレッジパネルのあるSERPはCTRにも打撃を与えており、1位のクリック数は28%ではなく16%にとどまっている。
この研究では、検索者はナレッジパネルで必要な答えを得るため、これらのSERPはクリック数が少なくなるとしている。
検索1位を取ったところで、6人に1人しかサイトに来てくれない。ある程度見えていたとはいえ衝撃の結果です。
「いや、でもまとめパネルよりも、ユーザーの本当の役に立つ記事を作ればサイト集客できる!」と自分に言い聞かせ続けるのも方向転換が必要かもしれません。
救いとしては、1,2,3位のCTR差が比較的狭いことです。ナレッジパネルがつくようなクエリーは、もともと検索ボリュームの母数も大きいと思われます。検索ボリュームが大きければ、CTRが少し低くても、検索3位以内にさえ入っていればオーガニック流入を見込めると言う判断もできるでしょう。(膨大なコストを掛けて1位を取りに行かなくても良いという意味です)
しかし、ここでもGoogleの確固とした意志「すべての検索へのアンサーをGoogleが与えよう!」を顕著に感じます。
Google広告が多い場合は1位以外意味なし?!
クエリーによっては、上記例のようにGoogle広告によって検索結果が埋め尽くされるパターンもあります。
CTRは、SERPの上位が広告で埋め尽くされている場合、すべてのポジションで平均を下回っている。
しかし、Google広告のレイアウトは、ナレッジパネルのレイアウトよりも自然検索結果への影響が少ない。
やはり、というかCTRは下がります。しかし、1位のCTRが18.9%もあるのは、正直意外でした。
しかもナレッジパネルが表示される場合のCTRより高いというのはおもしろい結果でしょう。
気をつけるべきなのは、1位に対して、2位のCTRが8.8%と極端に落ち込んでいることです。Google広告がたくさん入るような激戦クエリーでは、以下のケースでは勇気ある撤退も検討しないといけないかもしれません。
- 既存1位の競合サイトが企業・専門家など強そう
- 周辺クエリーで戦えるクエリーがある
まとめ
ここ数年で劇的に進んだGoogleの戦略が如実に見えた調査結果であったと言えるでしょう。
以下の2タイプのサイトでない限りは、Googleの検索画面ですべての検索行動を完了させようとしているようです。
- 指名検索をされるような権威性の強いサイト
- 広告料を払ったGoogle広告
上記で考えると、これからのSEOのあるべき姿が見えてきそうです。
読み手にとって有益でおもしろいコンテンツを提供してPVを狙うだけの「コンテンツSEO」では、指名検索に結びつけるのは難しいが正直なところです。
ではどうするか?ここからは、各々の会社のスタイルによって方法論は異なるでしょうが、思いつくままに挙げると以下の施策が有効でしょう。
- 業態に合ったSNS(Twitter・Facebook・YouTube・Instagramなど)でプレゼンスを上げる
- Google広告を活用してSEOなしで検索結果面表示を狙う
- 既にSEOパワーを持っている他社メディアに広告を出す
- コンテンツ→CTAの出口戦略を確立する
- ゴリゴリのSEOに邁進する
実際には、上記5つの手法を並行して補完しながら行うのが最短経路でしょう。少なくとも今回の記事で、SEO一本頼りの危険性はお気づきいただけたかと思います。