「営業の9割はヒアリングである」

営業の業務においてヒアリングの重要度は高く、実績をあげる営業マンであるほどこの考えに共感する方は多いはず。

いまいち実績をあげられない営業マンのほとんどは、自分のコミュニケーション能力が低いことが理由だと考えがちですが、実は違います。

彼らはヒアリングがうまくいっていないために、思ったような成果を出せないのです。

デジマチェーンが、ヒアリングの重要度とともに、ヒアリングを成功させるためのコツを紹介していきます!

1.情報こそ財産!ヒアリングとは

世の中のあらゆるものには価値があり、それらが社会経済のなかで流通のために表示されたものが価格です。

こと現代社会においてはかたちのないものの価値が認められ、価格がつくようになってきています。

その最たる例が情報の売買です。いまや情報も資産のひとつなのです。

したがってヒアリングを行うということは、会社そして自分の資産を増やす重要な行為であるということを意識しなくてはいけません。

ヒアリングの目的は、ヒアリング先がもつすべての情報を得ることにあります。

会社概要をはじめとした顕在情報を聞くだけでなく、まだヒアリング先も気がついていない潜在情報こそ手に入れなくてはいけません

2.ヒアリングの成果を最大化する4つのコツ

ヒアリングの究極の目標は、ヒアリング先の潜在情報を手に入れることです。

そのためには客観的な自分なりの尺度を持ち、そして相手の立場になって話し合いを行うことが重要です。

なぜならヒアリング先にとって重要な情報は、自分が有益だと思われないかぎり共有してもらえないからです。

外部からの客観的な意見を親身になって伝えてくれる存在

そんな存在になるために実行するべきことをまとめました。

  1. 訪問前に情報収集する
  2. お互いの目的を共有する
  3. 質問ではなく提案する
  4. ヒアリング成果を共有する

(1)訪問前に情報収集する

訪問営業とは、「我々こそ訪問先が抱える問題を解決できる」というアピールの場です。

訪問先がその問題に気づいているかというとそうではないことの方が多く、営業マンは訪問先を納得させられる潜在的問題を見つけ出さなくてはいけません。

もちろん訪問時の対話によってわかることも重要ですが、前提として訪問先の問題に目星をつけておく必要がありますし、そのためには事前の情報収集が必要不可欠です。

具体的には、訪問先の業績や就業人数、事業展開の歴史や競合会社の動向などです。

もちろん扱う営業で扱う特定の商品がある場合は、類似商品の利用の有無や、訪問先と現状のユーザー像との比較なども調べる必要があります。

事前の調査で得た情報量が、営業結果に直結するといっても過言ではありません。しっかりとマクロとミクロの両方の観点から調査するようにしましょう。

営業の基本的な準備に関してはこちらの記事をご覧ください。

(2)お互いの目的を共有する

営業マンは、自社の扱う商品や事業を売り込みに営業活動をしています

したがってヒアリングの段階から、それらに関係することを訪問先から聞き出していかねばなりません。

飛び込み営業等でよく用いられる「近くを通りがかって」といった文言を使ったり、他愛のない世間話に終始したりするのはやめましょう。

適切な関係性の構築ができないと、下手下手に出ざるを得ない状況に陥りやすいからです。

まずは相手にとって有益な存在であることをアピールするとともに、自分の訪問理由を端的に告げ、よりビジネスに結びつきやすい対話を行いましょう

(3)質問ではなく提案する

潜在的な問題について話す際に、相手にすべての回答を委ねるというやり方はよくありません。

なぜならば訪問先にとって情報を共有するメリットはないですし、なにより時間がかかってしまうからです。

訪問先との対話で聞き出したい情報があるときは、質問ではなく提案のかたちをとるべきです。

例えば予算についてききたいときは、「予算はいくらくらいで決定されていますか?」ではなく、「(競合会社)の予算は〇〇円ですが、業績のいい(訪問先)の予算は□□円くらいですか?」といったふうに具体的なものをこちらから提示することが大切です。

相手の回答のストレスを軽減することで、より積極的な姿勢を引き出し、対話によって得られる情報の量と質を高めることができます。

(4)ヒアリング成果を共有する

ヒアリングによって得た情報は会社にとって財産のひとつです。

自社内で共有するのはもちろんのこと、実りあるヒアリングの結果は訪問先にとっても共有してほしいものであるはず。

ヒアリングの結果を整理して後日訪問先と共有することで、ヒアリングの成果が可視化され、訪問先からの信頼を得やすくなります

また、情報を整理することで潜在的な問題が浮かび上がってくることもあります。

自分たちの提案したい内容と結びつけながら訪問先に問題提起することで、ヒアリング後の営業をスムーズに進められるようになります。

3.コミュニケーションを潤滑にする3つのコツ

あなたの経営する会社に営業マンがやってきたとき、あなたはどのような反応をするでしょうか?

おそらくもっとも多い反応は「警戒」でしょう。

それもそのはず。営業を受ける側にとって、営業マンはモノを売りつけにきた人物にしか見えないからです。

かといって目的をぼかして関係性を作ろうとするのは効率的ではありません

いかにして端的にヒアリングをスムーズに行うか。

ここではコミュニケーションの側面からヒアリングを成功させるコツを紹介します。

  1. ミラーリングを行う
  2. キャラクター性をもつ
  3. 専門性をもつ

(1)ミラーリングを行う

ミラーリングとは、会話の相手と同じしぐさを行うことで相手との親密度を上げる、心理学に基づいたテクニックのひとつです。

たとえば、相手がうなずいたタイミングで自分もうなずいたり、相手が笑ったタイミングで自分も笑う、といったものがミラーリングにあたります。

ミラーリングを行うことで相手とのあいだに類似性を生み出し、よりリラックスした状態で対話ができるようになります。

ただし頻繁にいわれる手法でもあるので、勘のいい相手にはすぐ見破られてしまうものでもあります。

無理に相手の動作をまねる必要は全くありません。対話のなかでごく自然に行うことを心がけましょう。

(2)キャラクター性をもつ

特に初対面での話し合いにおいて、自分が相手にどのように見られているのかを理解することはとても重要です。

身だしなみを綺麗にして清潔感や誠実さをアピールするのも、この考え方に基づいた行動だといえます。

さらには自分のキャラクター性を理解してそれをきちんと反映させることができれば、相手が自分を理解するたすけになりますし、ひいてはスムーズな対話ができるようになります。

例としては年齢や性別、顔立ちなどの見た目からわかるものや、経歴や役職などの共有しやすい情報といったものがあります。

自分自身の特徴を理解しそれにしたがったアプローチをすることで、無理なく対話ができるようになるのです。

(3)専門性をもつ

「馬が合わない」という言葉があるように、キャラクターが違う相手との対話は一般に難しいことが知られています。

ビジネスにおいては、そういったタイプの相手とも信頼関係を築かねばなりません。

そのために重要なのが自分の仕事に対する専門性です。

友人としてではなく、ビジネスパートナーとして信頼を勝ち取れば良いのです。

そういった関係性のほうがお互いの利益を追求しやすいという点からも、効果的だといえます。

相手が知らない自分の仕事の分野の情報を共有したり、自分の仕事の成果をしっかりアピールすることで、信頼を勝ち取りましょう。

4.まとめ

コミュニケーションとは、相互理解のためのツールです。

ヒアリングがうまくいけばその後のプレゼンやクロージングもうまくいくでしょうし、なにより信頼されるということは自信につながります

同じ商品を扱う営業の仕事でも、自信あふれる営業マンとそうでない営業マンであれば、どちらがより成功しやすいかは明確ですよね。

今回紹介した7つのコツを実践し、実りあるヒアリングを行ってください!

また、営業での話し方について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

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