「正社員を在宅勤務にするのに抵抗がある…必要なのは分かっているが…」
「企業にとって正社員を在宅勤務に切り替えるメリットが知りたい」

仕事をするにはオフィスに出勤するのが当然という風潮の日本では、在宅勤務の切り替えに心理的な抵抗やハードルを感じますよね。

実は正社員を在宅勤務にすることで様々なメリットがあります。

また業務を遂行するには会社の環境が不可欠というわけでもないんです。

今回は正社員を在宅勤務にする3つのメリット、在宅勤務の導入に役立つツール6選、在宅勤務の成功事例2社を紹介します。

働き方を変える時は少々準備に手間取ることもありますが、いざ切り替えてみるとあっさりうまくいくもの。

この記事を最後まで読めば在宅勤務が必要な理由や成功に必要なものが分かり、切り替えに前向きになれますよ!

在宅勤務のメリット・デメリットとは?成功させるための3つの注意点」も併せてご覧ください。

1.正社員を在宅勤務にする3つのメリット

正社員を在宅勤務にする3つのメリットを紹介します。

  1. 助成金制度が受けられる
  2. 女性が活躍する職場作りができる
  3. 地域を選ばず人材を雇用できる

企業にとって正社員を在宅勤務に切り替えることで得られるメリットを知っておきましょう。

それではそれぞれの項目について解説していきます。

(1)助成金制度が受けられる

正社員を在宅勤務にする1つ目のメリットは助成金制度が受けられることです。

厚生労働省のホームページによると、以下2つの支援助成金があることが分かります。

  • 働き方改革推進支援助成金
  • 感染症対策のためのテレワークコース

安倍内閣にて推進されている働き方改革の一環として、テレワークを導入した企業は助成金を受けることができるんです。

 時間外労働の制限その他の労働時間等の設定の改善(※)及び仕事と生活の調和の推進のため、在宅又はサテライトオフィスにおいて就業するテレワークに取り組む中小企業事業主に対して、その実施に要した費用の一部を助成するものです。
引用:厚労省HP

支給対象となる事業主は下記のようになっています。

業種 資本・出資額 常時雇用する
労働者
小売業
(飲食店含)
5,000万円以下 50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
その他 3億円以下 300人以下

概要する事業主はテレワークの導入にかかる費用の一部を助成金として受け取ることが可能です。

次に一時的なものではありますが、指定感染症の流行において在宅勤務を導入した企業も助成金を受けることができます。

「働き方改革推進支援助成金」(※令和元年度までは「時間外労働等改善助成金」に名称変更予定)に新型感染症対策を目的とした取組を行う事業主を支援する特例コースを時限的に設けます。
引用:厚労省HP

感染症の流行でテレワークを導入する事業主に対して助成金が出る制度です。

対象事業主は先ほど紹介した働き方改革推進支援助成金の対象と同一。

助成の対象は令和2年2月17日から5月31日までと現状定められていることに注意してください。

このように政府からテレワークや在宅ワークは推奨されており、導入によって助成金を受けられることを覚えておきましょう。

(2)女性が活躍する職場作りができる

正社員を在宅勤務にする2つ目のメリットは女性が活躍する職場作りができることです。

働き方改革の一環で女性の就労環境の整備や雇用機会の均等化への取り組みが強化されています。

内閣府経済総合研究所の発表によると、女性の就労を促進することは世帯収入の増加だけでなく国内の経済成長にもつながるという結果がでているからです。

日本は世界的な水準において女性の労働参加率が低い国ですが、男女の就労格差を無くすことでGDPが20%近く増加するという結果も。

女性が就労できない理由としては育児のために就労できないこと、介護のために退職せねばならないなどやむを得ない事情が多いです。

在宅勤務はこういった通勤が難しいというハードルを取り払い、女性に出産後も仕事を続けやすい環境の整備につながるでしょう。

ベテラン社員が妊娠や介護をきっかけとしてやめてしまうのを防ぎ、人材の流出に歯止めをかけることもできます。

在宅勤務に切り替えることで女性が就労しやすい環境を整え、女性が活躍する職場を作ることが可能です。

(3)地域を選ばず人材を雇用できる

正社員を在宅勤務にする3つ目のメリットは、地域を選ばず人材を雇用できることです。

現状の雇用方法では会社に通勤できる範囲の人しか雇えませんが、在宅勤務が可能なら全国に求人をかけることができます。

地域によって限定されていた雇用範囲が取り払われることで、より優秀な人材を確保できる可能性も広がるでしょう。

リモートワークが可能であれば場所や会社に縛られることはありません。

全国、はたまた海外にいる人を雇用して労働力を確保することができます。

在宅勤務は人材の確保についても非常にメリットがある方法なのです。

2.在宅勤務の導入に役立つツール6選

在宅勤務の導入に役立つツール6選を紹介します。

  1. コミュニケーションツール
  2. 会議ツール
  3. クラウド

こちらの3つのジャンルごとにツールを選定しました。

在宅勤務に必要な環境が分からない方は今から紹介するツールの導入を検討してみましょう。

(1)コミュニケーションツール

在宅勤務の導入に役立つコミュニケーションツールを紹介します。

  1. Slack
  2. Chatwork

在宅勤務で問題となるので社員間のコミュニケーションが希薄になり、連携が取れなくなること。

この問題を解決できるツールを2つ選びました。

#1:Slack

在宅勤務の導入に役立つ1つ目のコミュニケーションツールはSlackです。

Slackは最近急激に人気が出ているチャットツールで、社員間のコミュニケーションに役立ちます。

  • チャット
  • 通話
  • 画面共有
  • ファイル共有

主な機能は上記の4つですが、外部アプリとの連携が可能で汎用性が高く、使いこなせば業務をSlack上で完結させられるという企業も。

チャットや通話が軽快にでき、絵文字などでカジュアルな返信も可能です。

多くの企業が導入しており、日々のコミュニケーションや日報の作成、連絡事項の共有に役立てています。

Slackの概要やメリットをまとめた記事もありますので、併せて参考にしてみてください。

#2:Chatwork

在宅勤務の導入に役立つ2つ目のコミュニケーションツールはChatworkです。

ChatworkもSlack同様多数の企業で導入されているチャットツール。

  • チャット
  • 通話
  • 画面共有
  • ファイル共有
  • 外部の人の招待
  • タスク管理

このような機能がついています。

Slackと似ていますが、タスク管理や外部の人の招待ができるのが特徴です。

電話会議も15名まで可能なので、業務の遂行にぴったりなツールと言えるでしょう。

(2)会議ツール

在宅勤務の導入に役立つ会議ツールを紹介します。

  1. Zoom
  2. Microsoft Teams

以上の2つが電話会議・ビデオ会議に向いているツール。

自宅にいつつも意見の交流ができます。

#1:Zoom

在宅勤務の導入に役立つ1つ目の会議ツールはZoomです。

Zoomはビデオ通話に特化したツールで、デバイスを問わずに利用できます。

無料版でも100名まで40分の会議ができ、1:1の通話は無制限。

URLを送信するだけで外部の人も会議に招待できるため、取引先とのミーティングも開くことができます。

大規模な人数での会議を行う場合に非常に有用なツールと言えるでしょう。

Zoomの詳細を詳しくまとめています。

#2:Microsoft Teams

在宅勤務の導入に役立つ2つ目の会議ツールはMicrosoft Teamsです。

Teamsはマイクロソフト社がリリースした比較的新しいツールで、電話会議とチャット機能の双方を兼ね備えています。

  • 電話会議
  • ビデオ会議
  • チャット
  • チャネル作成(チーム分け)
  • ファイル共有

最大250名までの会議通話が可能で、先ほど紹介したコミュニケーションツールと会議ツールの良いとこどりをしたようなツール。

難点としてはまだ新しいツールなので連携できる外部アプリが少ないこと、導入企業がまだ少なくマニュアルや使いこなし方を記載したサイトなどがあまりないことです。

しかしマイクロソフト社のオフィスなどを使用している企業なら連携が容易で、オンラインでの共同作業が簡単などメリットも多数あります。

Teamsについての詳細を詳しく紹介していますので、興味のある方は参考にしてみてくださいね。

(3)クラウド

在宅勤務の導入に役立つクラウドを紹介します。

  1. One Drive
  2. G Suite

以上の2件です。

在宅勤務において困るのがデータ容量の関係でメールがパンクしたり、円滑な共有ができないこと。

クラウドを使用すればオンラインからデバイスを問わずアクセスし、必要な情報やデータの確認ができます。

在宅勤務へに切り替えにはクラウドを導入すると業務が円滑に進むでしょう。

#1:One Drive

在宅勤務の導入に役立つ1つ目のクラウドはOne Driveです。

One Driveはマイクロソフト社が提供するドライブで、メールやカレンダー、大容量データなどの共有が可能。

マイクロソフトの提供するクラウドのため、セキュリティも最新で安全性も高いです。

名刺や領収書の撮影、保管機能もついているため、顧客管理や経費生産にも利用できる汎用性の高さも魅力。

デバイスを選ばず自宅からもアクセスできるため、在宅勤務にもぴったりなツールです。

#2:G Suite

在宅勤務の導入に役立つ2つ目のクラウドはG Suiteです。

Google社が提供するクラウドで、無料版でも15GBまでの容量が利用可能。

写真、文書、音楽、動画など幅広い種類のファイルを共有でき、セキュリティも堅固です。

ビジネス版ではスプレッドシートなどの共同作業も可能で、自宅からオフィスにいるのと同じように業務ができるのも魅力でしょう。

Gmailを社用メールとして使用している場合は連携も容易です。

3.在宅勤務を成功させた中小企業の事例2選

在宅勤務を成功させた中小企業の事例2選を紹介します。

  1. 株式会社ソニックガーデン
  2. 株式会社LiB

2つの企業の成功事例をもとに自社での導入のイメージをつけてみましょう。

(1)株式会社ソニックガーデン

在宅勤務を成功させた中小企業の1つ目の事例は株式会社ソニックガーデンです。

株式会社ソニックガーデンはソフトウェアの開発を行っている企業で、全員がリモートワークで働ける環境を構築しました。

オフィスを2016年に撤廃し、社員のライフワークバランスの向上に取り組んでいます。

不足しがちなコミュニケーションはオンライン飲み会を設けたり、社長がラジオで配信をして社の方針を伝えるなどの工夫をすることで補っているそうです。

社員一人一人に個人的な出来事や考えを書いてもらう日報制度を作り、お互いにコメントし合うことで社員間の関係も円滑になりました。

2018年には働きがいのある会社ランキングにも選出され、社員の幸福度の向上とともに企業としても成長したそうです。

(2)株式会社LiB

在宅勤務を成功させた中小企業の2つ目の事例は株式会社LiBです。

株式会社LiBは女性のキャリアを構築することを目標とした支援事業を行っています。

フルタイム勤務という制度に捉われないことで、人材の確保をより幅広く行えるようになったそうです。

例えば他の仕事をしながら副業として正社員雇用することもできますし、リモートワークで自宅で働くこともできます。

オフィス出勤0でフレックス制を利用することで、子育て中のママや介護をしている女性の雇用も可能に。

ライフイベントによって女性がキャリアを諦めなくても済むようになり、人材の確保が容易になりました。

まとめ

今回は正社員を在宅勤務に切り替えることで得られるメリットや導入に役立つツール、成功事例を紹介しました。

最初は抵抗があるでしょうし、やりづらいと感じる点も多いと思います。

しかし助成金制度の活用で負担は減らせますし、結果的に人材の流出防止や今まで雇用できなかった範囲から社員を雇えるなどのメリットも。

今回紹介したツールは在宅勤務を取り入れている企業が活用されているものばかりです。

自社の業務の洗い出しや問題点の解決をリストアップし、解決できる機能を備えているものを選んでみてください。

在宅勤務に切り替えることでライフワークバランスのとれた働きやすい業務環境の構築が可能です。

社員が幸せに生き生きと働ける環境を整備することで、モチベーションアップにつながり、業績の向上にもつながるでしょう!

Similar Posts